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266(06/05/08)
「ブロークン・フラワーズ」

 さて。ゴールデンウイークの唯一のレジャーと言うべきか、映画『ブロークン・フラワーズ』を観てきた。固定ファンも多いと思われるジム・ジャームッシュ監督の最新作で、2005年カンヌ国際映画祭グランプリ(審査員特別大賞)受賞の話題作。

 ジム・ジャームッシュの映画を観るのは恥ずかしながら初めてだったが、人物の描き方のおかしさ、キャラクターの際だたせ方、クスクスと笑える細かな演出、「間」の取り方のうまさ、1つ1つのカットの「利き方」の妙、音楽の使い方のうまさに「はあー」と感心。さすがは、評判だけのことはあると納得した。

 おまけに、主人公を演じるビル・マーレイが実にいい。彼が主演した映画はソフィア・コッポラ監督(フランシス・コッポラの娘)による『ロスト・イン・トランスレーション』を観ていたが、うだつの上がらない中年男を演じさせたらピッタリのキャスティング。今回は、かつて「ドン・ファン」のようにモテモテながら、パートナーに見捨てられたダメ男という役柄。黙ってソファに座っているだけで、ダメ男ぶりがぷんぷん匂ってきて、はまり過ぎている。

 映画のストーリーそのものは、「えっ、これで終わり?」という幕切れだ。しかし、リアルな人生なんて意外とそんなもんだよなあ、などと思えてくる。このあたりは監督の確信犯ぶりだろうか。痛快なストーリー展開や、ハンカチが必要な映画をお求めの方には推薦できないが、もやもやと後味が残る映画や、人のおかしみを映画に求めている映画ファンには強く推薦。ジム・ジャームッシュの才能は十分分かったので、できれば、公開当時に興味をそそられながらも見逃していた映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』も観てみたいと思った。

 さて。あと個人的には、主人公の隣人(日本の俳優にも似た顔の人がいるが、名前が思い出せない。アクの強い顔で名バイプレイヤーぶりを発揮している人だが……)がドラマの中で薦めていたエチオピア音楽にも興味津々。何かキューバ音楽っぽかったけれど、エチオピアの音楽シーンって、どんなだろう。サントラ盤も出ているようだが。

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267(06/05/08)
Google検索を追加

 さて。トップページに、当サイト内の検索ができる機能を追加してみた。以前から、この機能を追加する方法を調べようと思いつつ怠っていたが、今回、サクサクっと追加。

 コンテンツが多くなってきたので、訪問者への便宜を図るために必要だろう、と思ってのことだが、一番便利なのは、この僕かもしれない(苦笑)。同じように、自分のサイトにこの機能を追加したい人は、Googleのこちらを参照してください。

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268(06/05/12)
「世界ふれあい街歩き」が面白い

 さて。今週水曜日の深夜にNHK総合で放映されていた「世界ふれあい街歩き」が面白かった。基本的には、東京で言えば「ぶらり途中下車の旅」、関西で言えば昔々の「夜はクネクネ」みたいな、テクテク歩きの散策モノで、舞台は海外だ。

 ありがちな旅行番組ともいえそうだが、特徴は案内人を務める旅行者が一切画面には登場せず、終始、カメラの主観で撮影し、カメラの主観で現地の人とコミュニケーションしているところ。視聴者が自分で街を散策しているような気分が味わえて、「ああ、こういう手法があったか」と感心した。ナレーションの吉田日出子が実にいい味を出していて、絶妙のキャスティング。(追記5/17:ナレーションは日によって異なるようだ)

 この日は中国・湖南省の西部、棚田が続く山奥の街・鳳凰が舞台だった。普段着の生活をしている人たちをとらえたカメラが自然な表情を写し取っていて、10数年前に上海の裏道散歩を楽しんだときのワクワク感が蘇ってきた。観光客が大挙して訪れるような街ではないと思うが、そこが番組のミソなんだろう。

 番組の公式サイトを見る限り、BSでは放映開始から1年がたっているようで、これまで気づかなかったことが悔やまれる。地上波の総合テレビでは4月から放映が始まったばかりらしい。まだ観たことがない人は、要チェック。

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269(06/05/17)
発火点が低すぎる

 さて。某私鉄線の新宿駅で、西へ向かう列車に乗り込んだところ、ちょうど僕と同じ年代くらいの中年男と20代の眼光鋭いお兄ちゃんが一触即発の状態になった。始発駅である新宿駅で扉が開いてすぐのこと、7人がけの椅子の端っこを狙っていた2人がぶつかり、小競り合いになったのだ。

 平日の朝11時前くらいに郊外へ向かう列車だから、通勤列車で混み合う方向とは逆向きだ。しかも乗客が少ない各駅列車。列に並んでいた乗客も、扉1つ当たり、せいぜい4〜5人程度だった。先を争って座席を奪い合うような状況では全くない。にもかかわらず、2人は同じ向きの、同じ端っこを巡って小競り合いとなったのだ。列にならんでいた時から、すでに何らかの理由で火花が散っていたのかもしれないが。

 怒り心頭のお兄ちゃんは、中年男に詰め寄り、手招きというか指招きで「ちょっと顔貸せや」とホームに連れ出そうとする。さすがに中年男は腰が引けていて顔面蒼白だ。結局、中年男はお兄ちゃんを振りきって小走りに逃げ、お兄ちゃんは本気で追いかけなかったので、その後暴力沙汰に発展することはなかったと思うが。

 一触即発の2人の駆け引きが行われていたのは、僕のすぐ目の前だった。もし戦闘状態になりかけたら、すぐさま仲介に加わろうと心の準備をし、耳につけていたヘッドフォンも取り外して構えていたのだが、本格的な喧嘩にならなかったのは幸いだ。

 それにしても、この普通列車は発車時間になっても空席だらけで、こだわりさえなければ、どこでも座れる状態だった。乗客もまばらな列車で、座りたかった席に競争相手があったというだけで、ここまでの小競り合いになるのだろうか。まったく、信じられない光景だった。

 さて。関連して言えば、当サイトの「アーカイブ」内に収録した、シルバーシート(優先座席)に関する昔の雑誌記事にはコンスタントなアクセスがある。時折、平日に集中したアクセスがあり、いずれも夏休み・冬休み・春休み以外なので、たぶん学校の授業で題材に使われているのだろうと想像している。ここで僕は、電車のシルバーシートについては全廃に賛成の立場を取っている。必要とする人に席を譲るのは「当たり前の行為」であることを明確にしたいというのが僕のスタンスだ。

 ただし、連れ合いの持論からの受け売りでもあるのだが、どうしてもシルバーシートを設けたいなら、今のような連結側ではなく、すべてのドア近くの座席、つまり連続した座席の端っこをすべて、シルバーシートにすべきだと思っている。足腰の不自由な人、妊婦さんなどが座席につくまでの距離は短くした方がいいと思うからだ。これは、松葉杖をついた時の僕の実感からも、そう思う。とくにお年寄りの場合は、つかまり立ちをしたいだろうから、縦方向の金属棒を手すりがわりに使えるメリットは大きい。

 どうせシルバーシートを設けるのなら、位置を変えるべきと思うが、そのような英断をする鉄道事業者は果たしてあるのだろうか。

 誰でも端っこの席が落ち着きがいい、という感覚はよく分かる。僕もそう思う。だけど最近は、自分が端っこに座っていて誰か席を必要とする人が来たら、席を立つか、1つ横にずれて端っこの席へ誘導するように心がけているつもりだ。こういう考え方が広まれば、今回間近に見たような信じられない光景も少なくなるように思うが。

 一般人であれ政治家であれ、最近はみんな、ずいぶん発火点が低くなったようだ。ゆるり、ゆるりと生きて行きたいね。

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270(06/05/30)new!
06年の春イチゴ

 さて。昨年初めて収穫できたイチゴを、今年も収穫。粒は小さいし、色合いも真っ赤ではないし、収穫量も少ないけれど、1粒ごとのイチゴの味が、めちゃ濃厚。安物の水っぽいイチゴの3個分くらいの味かな。

 このイチゴは、去年の苗をそのまま置いておいたものなんだけど、イチゴは毎年収穫できるとの噂で、嬉しい限り。小粒を20個ほど収穫するために、家庭菜園用の狭い面積をとり続けるのは悩ましいが。

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