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131(04/04/19)
「瞬間多数決時代」

 さて。3人が沈痛な面もちで日本に帰ってきた。3人とその家族が抱えている無言のプレッシャーを思うと、胸がしめつけられる。

 今回の一件については、先日「オンフィールド・コラム」に書いたとおりだが、今朝のワイドショーで鳥越俊太郎さんが言っていた「自己責任はあるかもしれないが、政府の様々な努力は、当たり前のことをしただけと考えるべき」との原則論、吉永みち子さんの「家族へのバッシングをした人は度量がなさすぎる」との意見に賛成。人質解放に費やしたお金が20億円に達する、うんぬんの話題が垂れ流しに出てくるのはきわめて不愉快。まるで「ビールとおつまみで5万円」のぼったくりバーみたいじゃないか。飛行機代を自己負担してくれ、くらいなら、まあ、仕方ないけれど。

 3人に対して「不用意じゃないか」、家族に対して「感情的すぎる」との感想を抱くことには理解できるし、別に構わない。その感想を自分のwebや掲示板、投書欄などに書くのもいいだろう。でも、それを電話やメール、手紙で直接、本人やその周辺にぶつけるような、ヒステリックな反応をしてしまう一部の人のことが、我慢ならない。

 今は10年前、20年前とは異なる情報社会だ。60対40の微妙な多数決で世論が傾くと、それはまるで「90対10」のような伝わり方で一気に広がってしまう。これを「瞬間多数決時代」とでも言っておこうか。だからこそ、自分の意見の伝え方、感情の表し方には、手段の検討を含め、慎重の上にも慎重でなければならないと思う。

 人質になったときのプレッシャーと、日本での反応によるプレッシャー。もし後者が前者を上回るようなことがあれば、とても悲しい。

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132(04/05/10)
CATVのインターネットサービスにがっかり

 さて。昨年11月に某CATVに加入したと同時に、インターネットサービスも利用していたのだが、あまりの障害の多さに辟易した。おそらく、地上波デジタル放送のサービス開始やらウイルスメールの増加で、システム上の混乱をきたしているのだろうが、半日間もネットが不通になったり、一日のうちに何度もさみだれ式に不通になることが多かったりで、もう我慢の限界。

 4月上旬から頻繁に起こり始めた障害なのに、5月1日に「障害情報」がようやく発表され、しかも問題解消の見込みが5月中旬と言うのだから、あきれ果てる。CATVを介したテレビ画面にも横筋のノイズが何本も入る。アパートのアンテナからのテレビ映像はクリアなのに……。

 仕事上の支障が顕著になってきたので、so-net+accaのADSLに戻すことにした。

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133(04/05/10)
イチオシのアルバム(1)夏の浜辺編

 さて。先週久々に、TOWER RECORDでたっぷり2時間、試聴をしまくって面白そうなアルバムを発掘してきた。今回はジャズ、ワールドミュージック、民族音楽系のフロアをうろうろ。ジャズやブルース、フレンチポップスで面白いアルバムもあったが、結果的にゲットした3枚は、偶然にも夏場に向かう今にピッタリなものばかりで、自分でもビックリ。

●タリア 『グレイテスト・ヒッツ』

メキシコのアイドル、タリアのスペイン語版のベストアルバム。圧倒的なご陽気サウンドとあっけらかんとしたセクシーボーカル、ポップなメロディがサイコーですね。夏の浜辺で流したら、みんな踊り出しそうな感じです。勉強不足でしたが、結構有名なアーティストなのですね。そういえば、FMで聴いたことがあるような曲もちらほら。アメリカ市場を意識した英語歌詞盤のアルバムも売っていましたが、すっかり骨抜きになってしまって、ツマラナイ。このアルバムのタリアは伸び伸び、開放的に歌っています。★5つ。

●カルトーラ 『愛するマンゲイラ』

ブラジルポップス界の重鎮、カルトーラの代表的なアルバム。レコード会社のご機嫌とりをせず「いいモノはいい、悪いモノは悪い」とバッサリ切り捨てることで知られている雑誌『ミュージックマガジン』の創刊30周年記念号の「30年間の30枚」特集で1982年の代表作品として紹介されていました(録音は1977年)。以前から気になっていたアルバムですが、ジャケット写真のカルトーラが「おら、買わんかい!」と言っているようで、衝動買いしました。内容的には、夏の浜辺の夕暮れで、どぎつい色のカクテルなんぞ飲みながら聴くのにぴったりな、渋いボサノヴァ。録音当時、彼は69歳! ★4つ。

●イブライム・フェレール 『素晴らしき兄弟』

キューバ音楽。「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の古老として知られるイブライムの2003年の作品で、前作と同様、優雅でつややかな歌声、安心して楽しめる安定感はさすが。さりげなく、ライ・クーダーが控えています。「ブエナ……」のなかではオマーラ・ポルトゥオンドおばちゃまが一番のお気に入りで、映画で見せたイブライムとのデュエットに背筋がゾクゾクしたものですが、イブライムも期待を裏切らない。同じく夏の浜辺で、すっかり陽が暮れてから楽しみたいですね。録音当時、彼はたぶん75歳! ★4つ。

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134(04/05/27)
遅ればせながら芥川賞作品鑑賞

 さて。仕事の大きな山を越え、半年ぶりに、ちょっぴり文化的な生活を取り戻した。まず読みたかった第130回芥川賞2作品を鑑賞。

 金原ひとみさんの『蛇にピアス』、綿矢りささんの『蹴りたい背中』、共にまずまず楽しめた。売れ行きは、一般受けする『蹴りたい背中』の方が好調なようだが、作品の出来映えとしては、明らかに『蛇にピアス』に軍配。ただこの作品、芥川賞というよりも団鬼六賞の方がふさわしいのではないか(笑)。

 『蹴りたい背中』はタイトルに妙あり。オタク少年への淡々(あわあわ)とした感情を描いたモノだが、岩井俊二あたりが映画化しかねない。昔はこの手の、少女が主人公になった作品が好きだったが、今は読んでいてもどかしい。

 私生活では、まったく趣味が合わないであろう2人の若い女性が、授賞式で一緒にカメラに収まったのは奇跡かもしれない。お互いに、どう言葉を掛け合ったのかは知らないが。ともあれ、今後の活躍に期待。作品に行き詰まっても自殺などはせぬように。

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135(04/05/30)
Nスペ「データマップ 〜犯罪 町の安心を取り戻せ〜」

 さて。以前からなかなか面白い手法の番組だなあと思っていたNHKスペシャルの「データマップ」シリーズ。第5回目は「犯罪増加をいかに防ぐか」がテーマ。

 このなかで取り上げられていた鹿児島市の取り組みに感心。大人たちが繁華街の見回りをし、若者への声かけを行うなどして、犯罪を抑制しているそうだ。なかなか、いい発想ではないか。監視カメラを取り付けたらオッケーという単純なものではないことも、英国での先例が証明している。

 最近僕が書いたオンフィールドコラム「咎めない大人たち」、「不安解消が不安を呼ぶ」と共通する部分が多く、「やっぱりそうだよなあ」などと興味津々で見た。6月1日の深夜に再放送があると思うので、お見逃しなく。

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