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156(04/10/26)
上原ひろみの衝撃

 さて。少し以前の話題になるが、21日放映のNHK「夢・音楽館」で若手キーボード奏者、上原ひろみの演奏を観て、ぶったまげた。フュージョン系ジャズピアノの新星ここにあり、を強烈に印象づけられた。

 17歳でチック・コリアと共演して才能を認められ……といった売り文句は以前から知っていたし、関心がなくもなかったが、この手の売り文句は“話半分”に聞くことにしていた。「どうせ、いま流行のヒーリング系だろう」あるいは「所詮、オーソドックスなジャズピアノだろう」と思っていたし、確か以前、TBS系列「情熱大陸」(昨年10月放映、制作は大阪の毎日放送)で取り上げられていたときも、そんな印象だったのだが……。今回は、プリティな顔とは裏腹の、邪気迫る演奏ぶりが印象的で、すっかり魅せられてしまった。

 過去、衝撃を受けたキーボード奏者に、ジャズ版「君が代」を披露した矢野顕子、名盤「ケルンコンサート」のキース・ジャレット、隠れマニアが多い深町純、といった面々が個人的には印象深いが、それ以来の衝撃。この日、「夢・音楽館」で共演していたのは、奇しくも矢野顕子だが、彼女が上原ひろみに完全に食われていたと思うのは僕だけではあるまい。ああ、こうやって時代は変わっていくのだなと、つくづく感じた次第。

 上原ひろみとパット・メセニー、ジョン・マクラフリンあたりが早弾きユニゾンで共演したら、面白いだろうなあ。

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157(04/10/26)
新潟中越地震の歯がゆさ

 さて。23日に小千谷市付近を震源とする3度の強い地震が発生、規模の大きい余震も相次いで、想像以上の被害になっている。かつて阪神・淡路大震災では、初日の段階から高速道路の倒壊など、最も衝撃的な映像から伝えられ始めたため、瞬時に大小さまざまな対応が始まった感もあるのだが、今回は山間の地域が壊滅的な被害を受けているだけあって、少しずつ少しずつ、大きな被害が小出しに映し出されている印象がある。

 以前、ボランティアの取材の時に聞いた話だが、震災直後、数日後、一週間後と、現地のニーズは少しずつ変化していくのだと言う。そして避難した先々によって、それぞれ異なるニーズがあるのだと言う。こうした情報を束ねて、その時々に応じた支援が必要になるのだが、これを推進している母体がなかなか見えてこない。現地で困っている情報がどのように伝えられ、どのように支援が届こうとしているのか。

 こんな時勢に、評論家みたいなことを言うのは恥ずかしく、本当は飛んでいくべきなのだが、それでも言わせていただくと、被災者が集まる最前線の避難所とキーステーションみたいなところを結ぶ、情報伝達手段がもっと素早く整備できないものかと思う。どの地域では、どんな困りごとが一番の優先順位なのかなど、大切な情報が歯切れでしか伝わって来ない現状は、とても歯がゆい。

 阪神・淡路大震災のときは、思い思いに参加を申し出てきたボランティアを、求められる場所に的確に配置するために、大阪ボランティア協会が大きな役割を果たしたと聞いている。このノウハウが、現地に伝わっているのだろうか。

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158(04/11/01)
編集会議の“一人編集長”でございます

 さて。ここでもお知らせしたとおり、雑誌『編集会議』12月号に、「パーソナルメディアで情報発信する“一人編集長”」としてご紹介をいただいた。恥ずかしながら、写真入りである。この雑誌を発行しているのは、広告コピーライターのバイブル的雑誌『宣伝会議』を発行してきた、その名も株式会社宣伝会議。かつてこの『宣伝会議』を毎月のように見ていた元コピーライターのボクとしては、感慨深いものがある。

 そんなことはともかく。いまボクは、本業のフリーライターの方で、年に一度の「大仕事」と格闘中につき、11月の半ば過ぎまでは、ほとんど更新もままならない状況。せっかく多くの方々に初めてアクセスいただけるチャンスだというのに、アップトゥデートな情報をお届けできないのが、とても悔しい。「オンフィールドコラム」の発行が滞っているのも、気がかりだ。書きかけのコラムは3本ほどあるのだが、もう少し調べてから、もう少し参考資料を見てからと思っているウチに、今に至っている。

 ここでは、今回の「パーソナルメディアで情報発信する“一人編集長”」で紹介されている、他のサイトを見ての感想ということで、リンクも貼りつつ、お茶を濁させてくださいまし(苦笑)。

 まずは『ビタミンX』。日々のニュースから編集長の独断と偏見で気になったニュースを引用し、コメントを添えながら紹介するスタイル。主宰者は20代後半とのことだが、もう少し年齢層や性別、関心領域の異なる編集長による同等サイトが連携しあうと、もっと面白くなるように思う。地道な日々の作業に、感服。

 次に『それでもゲーム業界に就職したいあなたへ・・・』。All About Japanスーパーおすすめサイト大賞2004で、 審査員特別賞を受賞したサイト。ゲーム業界にまつわる情報を、業界内で働く自身が紹介する形。この業界を志望する人にとっては何よりの生きた情報だろう。内部ヒミツ暴露的な情報を集めたサイトは数多いが、業界への愛情が感じられるところは微笑ましく思う。コンテンツが単行本になったという点で、羨ましい限り。

 個人的に、今後も注目を続けたいと思ったのは『ネットは新聞を殺すのかblog』。某報道機関に勤務する記者、湯川鶴章さんが編集長を務める参加型サイト。ボクもそうだけど、最近は良くも悪くも、ニュースはネットで見るのが慣例となってしまった。新聞で念入りに見るのはネットにアップされにくい特集記事とか、著作権が発生しそうな著名人のインタビュー、後は広告とテレビ欄がほとんどだ。一般的に新聞記者は、相変わらず特権階級気取りの人が多いように思うけれど、個人メディアがどんどんニュースを発信するようになったら、立場はどうなるのだろう。ネット情報に疎い新聞記者に対する挑戦といった意味合いもあって興味津々。

 最後は『Suzukan.net/Suzukan.TV』。あ、これは知ってるサイト。以前、ボクのコラム「参議院選挙 後追いのススメ」でたまたまリンクさせていただいた、鈴木寛参議院議員が情報発信するサイトだ。このコラムを書いて以来、ちょくちょく、リンク切れしていないかチェックしてきたが、当選直後、一時的にアクセスできない時期はあったものの、しばらくして復帰。ご自身の直言コラムなどもあって、遠い存在である国会議員の姿や行動が見えるサイトになっている点は評価している。みんながこのレベルの情報発信をしてくれていたら、選挙の時にもっと選択がしやすいのだけれど。それより何より、選挙戦中の情報発信ができない現状は、いい加減改善をしてほしいものだ。

 ……ということで、一緒に掲載されたサイトをざっくり閲覧してきたが、どう見てもボクのサイトがいちばん劣っているように見せて仕方がない。速報性はないし、斬新さもないし、専門性もさほどないし、ノウハウの提供もない。強いて挙げれば、「読ませ上手」「情報収集力の強さ」はあるかもしれないけど、一応プロの物書きですので、このくらいは、ねえ……。

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159(04/11/01)
アメリカ人の良心に期待

 さて。間もなくアメリカ大統領選挙が始まる。今年の年頭に書いたとおり、良かれ悪しかれ、日本にとっても大きな影響がある。

 とりあえずの関心事で言えば、ケリーが勝てば自衛隊はイラクから撤退する可能性が高まる。ブッシュが勝てば引き続き残留する可能性が高まる。さて、どっちに転ぶか。ボクとしては、前者になることを心から望んでいる。共和党か民主党か、というよりも、ブッシュ支持か否かが重要な判断。

 アメリカ人の沈着冷静な良心に期待したい。沈着冷静な良心があれば、だが、過去にはこういうこともあったしなあ。

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160(04/11/04)
ライブドアの大風呂敷

 さて。プロ野球の新規参入問題は、大方の予想通り、後出しジャンケンの楽天が勝利した。わざわざ仙台を本拠地にし、同じ土俵でライブドアと争うアイデアは、“誰かの”入れ知恵だと想像している。仙台で競合することになったとたん、すべては結果に向けたプロセスになった。それはそれとして、仙台には大リーグのような野球場ができるという。どうか、選手の負担になる人工芝などにはせず、天然芝の美しい球場になりますように。

 さて、負けた方のライブドアは意気盛ん。このように、3年後には経常利益が10倍超、どこかの球団を親会社ごと買収すると息巻いている。こういう大風呂敷は、キチンとメモしておこう。ボクなどは、このwebニュースをさっそくデスクトップに保存。3年後に開封する「タイムカプセル」に所蔵した。

 まあ、本当にトントン拍子でいけば、数年後(来年?)に球団を持っていても不思議ではない。あるいは「アッとビックリ」で、大リーグの球団買収という奇策もあり得る。堀江社長としては、溜飲を下げたいだろうからなあ。

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