316〜320 |
||
さて。偶然発見したのだが、「WeROCK City」という仮想都市のサイトがプレオープンしたようだ。「住民登録」という名の会員登録は今年の秋からのようで、ロックの日(6月9日)に引っかけて「とりあえず公開」を開始したのだと思う。 これを運営している会社のプレスリリースによれば、「ユーザー同士の個人間取引による手数料収益等を見込んだ、新たなる成長市場における事業構築を目指します」とのこと。いやはや、ご苦労さんなことです。オークション取引ならヤフオクで十分という印象もあるから、これといかに差別化できるかがポイント、なのでしょう。濃密なコミュニティを形成できる分野として、たまたまロックに目を付けた、というビジネスライクな視点では、ちょいと厳しいだろう。本当にロックが好きで好きで、という人が凝ってやれば、そこそこ軌道に乗る可能性も。 正式オープン後はたぶんユーザー登録することになりそうだが、そもそも「ロック」に絞るところに、どれほどの意味があるのやら、何とも未知数。また、プレオープン中の画面とはいえ、ここまでシムシティ似の画像でいいのやら。思わず、地下の画面に切り替えて、水道が通っているかどうか、確認したくなる。……ちょっと冷めた目線で、注視しておこう。 さて。今年も我が家の庭でカボチャの猛威が始まった。数日、見ない間に、庭中に勢力を拡大。周囲の草木のことなど、おかまいなしに、伸びる、伸びる。からまる、からまる。 去年も一昨年も、我慢できずにツルを整理しようとして肝心な部分を切り取ってしまい、結局はカボチャの実が収穫できないという結果に終わったから、今年くらいは、実がなるまでじっと我慢……できるかなあ。 さて。庭の半分以上を埋め尽くしたカボチャの森に、1週間ほど前にこぶし大の実を発見。さらに、ピンポン球くらいの、実の“子ども”も。カラスに狙われることなく、無事に収穫できるのか? その他、プチトマトが育ち、地中でジャガイモが実をつけてきた。いずれも、種を蒔いた覚えなどない。 我が家では、肉・魚以外の生ゴミは連れ合いがせっせの庭に埋めている。残飯が極端に少ない(苦笑)我が家ではあるが、カボチャの種やジャガイモの芽までは食べないから、地中に埋められる。そして、いつのまにか、地中から勝手に野菜がお出ましになるという寸法。これで自給自足も可能か? 319(07/07/07) さて。洋楽の話題はできるだけ別のコンテンツに譲ろうとは思っていたのだが、書かずにはおれない出来事が。あのオシャレなFM局J-WAVEで、昨夜、ユーライア・ヒープがかかったのだ。しかもよりによって、評判の悪かった73年のライブ盤から、しかもよりによって選ばれた曲はチープな音色のムーグシンセサイザーが印象的な「 スイート・ロレイン」。ナビゲーターは新婚ホヤホヤのクリス・ペプラーさん。この日から始まった新番組「DoCoMo Rock Alive!」の冒頭、ストーンズの「ハートブレイカー」に続く2曲目だった。 非常に珍しい出来事なので、曲がかかったあとの、クリスさんのセリフをテープ起こししてみよう。 クリス「はい、ということで今夜から始まりましたDoCoMo Rock Alive!、金曜日の夜、わたくしクリス・ペプラーが、本物のロックをお届けする番組です。ガツンと、頭の2曲で、この番組のやる気、十分伝わったのではないでしょうか。まあ今どき、ユーライア・ヒープの曲、ラジオではハッキリ言ってかかりません。でも実は、こんなロックをJ-WAVEで聴きたかった、という声が意外と多いんですねえ。60年代から70年代にかけてのロックがイノセントな時代、アートだった時代、そして???な時代、ピンポイントでロックをお届けするDoCoMo Rock Alive!、ぜひごひいきに。」 ちなみに???の部分は、あまりにもナチュラルなEnglishで聴き取れず。セリフのバックにはヒープの「対自核」がかかっていた。 この後、ジェフ・ベック、オールマン・ブラザーズ・バンド、トラフィックと渋い選曲が続き、30分番組も早々と終わるかと思いきや、もう一度最後に、クリスさんがヒープを語った。これもビックリ。再び、テープ起こし。 クリス「今週からスタートしたDoCoMo Rock Alive!、いかがだったでしょうか。ね、けっこう往年のロックの名曲、いくつかお聴きいただいたワケなんですけども、ユーライア・ヒープ、かかりましたね。で、あの曲は73年、イギリス・バーミンガムで録音された曲、『スイート・ロレイン』だったんですけども、その2カ月後に彼らは来日し、武道館公演を行ったワケなんですが、わたくし、いました、その時。15歳ぐらいで、ほとんど覚えていません。覚えているのは、ボーカルのデビッド・バイロンの髪型がね、やたらパーマじゃないけど、いわゆる王子様ヘアだったのを覚えていますねえ。あと、ハッキリ言ってユーライア・ヒープ、あまりイケメン揃いではないんですけど、唯一格好良かったのが、今は亡きゲイリー・セインですよね。改めて彼のベース聴きましたけど、粒の揃った、本当に格好いいベースですよね。何だろう、ロックのバーナード・エドワーズみたいな、そんな感じがするワケなんですが、いかがだったでしょうか。」 新番組を印象づける象徴的なアーティストとして、意図的に、ユーライア・ヒープを選んだということが良く分かった。しかも、たぶん、クリスさん自身が選曲に関与しているであろうことも。オジー・オズボーンが好きであることは知っていたが、ユーライア・ヒープにも造詣が深いなんて、嬉しいなあ。音楽に詳しいバイリンガルなオシャレ系DJとしか思っていていなかったが、認識を新たにした次第。 金曜日の夜は渋谷陽一さんのNHK-FMの番組「ワールドロックナウ」(23:00〜24:10)を愛聴し、「タモリ倶楽部」へと流れるのがパターンだったが、さてどうするか。 ちなみに以下は、73年の武道館のオープニングナンバー。こんな映像があったとは。確かに、デビッド・バイロンは王子様ヘアだ。映像は武道館だが、音源はライブ盤LPかな。あまりに懐かしくて、胸が苦しくなってくる。 さて。童話を題材にした心理学研究などで実績を残し、国際日本文化研究センターの所長も務めていた河合隼雄さんが、本日、亡くなったという。 以前にもここで書いたが、もう20数年前のこと、編集を担当していた某企業PR誌のインタビューコーナーで、河合隼雄さんにはお会いしたことがある。確か、銀座の千疋屋の応接ルームだったろうか。その時、最後に河合さんが、当初のインタビュー予定にはなかった話題で、「これからは宗教の時代になる」と力説されていたことを、印象深く覚えている。 1980年代の初めと言えば実に天真爛漫な時代で、冠婚葬祭や季節の祭事における宗教的立ち振る舞いは踏襲するとしても、「特定の宗教に肩入れするなんてダサイ」という雰囲気が濃厚に漂っていた時代である。イエスの方舟が話題になった数年後ではあったが、新興宗教が殊更話題になっているとも思えなかった。そんな時に「これから宗教の時代になる」と言われても、若輩者の僕にはさっぱり理解できず、「キリスト教信者が増えるってこと?」などとピンボケな想像力しか働かなかった。故に、インタビュー記事には使わなかったか、使ってもサラリと字面だけ追ったようなセリフでごまかしたように思う。 遠い昔の著名人インタビューで覚えている内容など、ほとんどないのだが、このセリフだけは妙に記憶に刻まれた。オウム真理教が話題になり始めたとき、ようやく、「ああ、そういう意味だったのか」「もっとキチンと聞いておけばよかった」と悔やまれたものである。 「時代への洞察力を発揮してお話いただいたのに、いやはや申し訳ない」。……河合隼雄さんがマスメディアなどに登場するたびに、この思いが蘇ってくる。今日もまた、である。 |
||