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286(06/11/09)
ホームページ更新、一気に減速。

 さて。当ホームページの更新が滞りがちだ。まだweb2.0なんて概念すらなかった時代から……要するにブログなどという仕組みすら、あったのかなかったのか判らない時代から「日記のようなもの」としてスタートしたこのコーナーも、1ヶ月以上、更新が滞った。何のことはない、仕事が多忙を極めているためである。

 ホームページへのアクセスは、実に正直なものだ。頻繁な更新ができなくなってきた夏場から、ぐんぐん順調に(苦笑)アクセスは落ちてきた。右肩上がりを続けてきた日本経済が失速し、初めての挫折を味わったオイルショック直後のような状況である。……おっと、こういう例を引き出すのも、社史の執筆に毎日毎日、時間を使っている一種の中毒症状かも。おそらく、春の足音を聞くまでは、このような状況が続くだろう。

 社史の仕事が面白いのは、一つの企業の長い歩みを通じて、日本の主に戦後史について、あっちから、こっちから、いろんな切り口で勉強できる点だ。しかも、通常のジャーナリスティックな雑誌取材では、まず喋っていただけないような本音が聞けるのも楽しい。

 昔は、企業ものの雑誌取材でも、けっこう本音がポンポン飛び出していたものだが、最近は用心してか、皆さん口が堅い傾向があるように思う。たった一言の失言すらするまいと話すから、返ってくる答えそのものが国会答弁のように実に眠かったりする。社史の場合は反対に、書面には残せないような話が出てくるので、結局は使えないというジレンマはあるが、それでも、人間の本音と接することができるのは痛快である。

 社史の取材をしていてよく思うことは、歴史の多様性である。同じ企業に勤めていて、同じような価値観を共有しながら働いてきただろうに、取材ごとに異なる証言や、異なる見方が出てくる。もちろん、記憶のあいまいさもあるけれど、同じ体験をしていても、人が違えば受け止め方も異なる。それが人間というものなのだろう。

 最近、ぼんやりと思うことは、20年〜30年の月日があれば、起きた出来事は物語になるのだなあということだ。ノンフィクションの話題に、ある種の虚構性が混じり合い、枝葉の部分は切り落とされて、一つの流れるような物語になっていく。その落とされた枝葉を、地面にはいつくばって探す作業も、また、面白い。

 よく歴史認識の問題が話題にのぼる。真実は一つしかないはずだが、人によってさまざまな見方をし、解釈をする。それはやむを得ないことなのだろう。明らかな間違いは正されなければならないが、それをどのような脈略で理解するのか、怒りを覚えつつ語るのか、ほくそ笑みながら語るのか、嗚咽して訴えるのか、いろんな語り口がある。どれが正しいのかは判らない。たぶん、人の数だけ、歴史があるのだろう。国が違えば、なおさらである。

 歴史教科書問題に、おそらく最終決着は永遠に来ない。重要なのは、教科書に定められた歴史だけが唯一の正解ではないだろうということ。あっちサイドの声、こっちサイドの声、そっちサイドの声に耳を傾けながら、ぼんやりとした中庸の部分で一定の振れ幅を認識しつつ理解しておく、というのが正しいスタンスではないか、などと思ったりする。

 戦国時代の歴史書が、世の中には、いっぱいある。よくもまあ、これだけいろんな視点で、切り口で書けるものだと思うが、いずれ、戦前・戦中の話題も、100年後なのか200年後なのか、今の大河ドラマのように料理されるのだろう。ただ、戦国時代と異なるのは、当事者やその家族が今も多く生きているということ。この違いはかなり大きい。

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287(06/11/19)
ブースカ40歳。

 さて。本日は快獣ブースカの40歳の誕生日である。昭和41年11月19日、日本テレビ系列で第1回目の「ブースカ誕生」が放映された。僕は当時9歳ということになるから、主人公の屯田大作クンとほぼ同じ年齢。相当な感情移入をしながら、毎週の放映を楽しみに見ていた、ような気がする。

 上記の写真は、僕が初めて購入したビデオソフトだ。第1回目の「ブースカ誕生」と最終回の「さよならブースカ」の2話、たった50分だけを収録したビデオソフトが、何と9800円! 今から考えれば、あまりに暴利である。ちなみにカセットはベータ。もう観られないのに、簡単には捨てられない。

 確か、社会人1年生のボーナスで購入したような記憶がチラリ。何度も梅田の紀伊国屋のビデオソフト売り場で眺め、そのつど溜息をつき、何度目かに意を決して購入した代物だ。でも、1回目でブースカが誕生したと思ったら、次の回はもうお別れなのだから、実に切ないビデオソフトである。

 非常に物足りない思いがしたのは、たった50分の収録という短さばかりではなかった。結局、1回目と最終回以外の、ブースカと仲間たちの和気あいあいとした日常が描かれた普通の回が、面白かったんだよなあ、とビデオを買ってから気が付いた。今ではDVDで発売されたし、CSで毎週放映されている。便利な世の中である。

 屯田大作クンと同じように、僕の周囲にも、メチャ太郎みたいな友人や、女の子の友人がいて、毎日遊び回っていた。みんな、元気にしているかなあ。

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288(06/12/09)
お帰り、iMac。

 さて。03年に購入して以来、活躍し続けてきたiMac(OS 9.2)の具合が悪くなり、現在のmac mini(OS 10.4)に乗り換えてから約1年。目的に応じて2台を使い分けてきたが、いよいよ旧iMacの電源ボタンが効かなくなったため、ソフマップへ修理に出した。

 モニターのゆがみ、電源ボタンの不良、ついでにCD-ROMドライブのイジェクト不良の3つの故障を一度に修理依頼したのだが、幸い、ワランティ補償期間ぎりぎりに間に合い、合計8万3733円分の修理がタダで仕上がった。誠にラッキーである。購入価格が9万9999円(アウトレット品)だったから、まるで、新品を購入したかのようだ。ハードディスクは交換しておらず、データが残ったのも幸い。CD-ROMドライブは、丸ごと交換してくれたようで、これでしばらく、iTunesも使い続けられる。

 先日もハードディスクレコーダーをワランティで無償修理したばかり。デジタル機器を購入する際は、つくづく、ワランティに入るべきだと実感する。そう言えば、今年は他にも修理に出して使い続けているモノがある。環境の視点からは、ロングユースがいちばん。PHSなどは、もうすぐ5年目に入る。

 ただ、悩ましいのは修理品が送られてきた時の、緩衝材の山だ。写真に撮ってみると、いったいどこにiMacが1台も入っていたのかと目を疑うばかり。

 写真の「エコプラス・ユニ」(Mサイズ)が、数えてみたら全部で45袋も使われていた。「植物から生まれた、地球にやさしい緩衝材」と書いてあって、主原料はトウモロコシの澱粉だそう。地球にやさしいとは言え、少々後ろめたい。捨ててしまうよりは、後ろめたくないが。

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289(06/12/14)
初iPodなの。

 さて。初めてのハードディスク・オーディオ装置として、iPod nanoを購入した。アップルストアで“整備済製品”として格安で売られていたため、思わず購入してしまった次第。新品なら1万7800円の商品が、1万1100円だから、なかなかお得な気分。

 “整備済製品”とは、「店頭商品、返品商品、初期不良品などを修理調整し、新品水準並みの品質を確認したアップル認定製品」(同社HPより引用)だそう。まあ、ちゃんと動くのならば、新古品でも中古品でも、とくにこだわらないし。それでいて1年の保証もある。

 本当はiPod shuffleの新タイプ(クリップみたいなヤツ)を購入しようかと狙っていたのだが、僕のように雑食で複数アーティストを聴くようなタイプの場合、アーティスト名がクレジットされる液晶画面付きの方が良かろうと思って、これを選んだ。


▲「ちっちゃ!」。これが第一印象。

 半導体メモリーを使ったシリコンオーディオの類も含め、こういう、メディアの要らないオーディオ装置を使い始めてから、音楽鑑賞のスタイルが変わったと証言する音楽評論家がいた。それが何のことを指すのやら、まだ真意はわからないが、さてさて、何か新しい発見がありますのやら。

 iPod nanoを使い始めたら、CD購入ではなくダウンロード購入がしたくなったりするのだろうか。そのあたりの心境変化も、さてさて、どうなりますやら。結局は、従来通りのCD購入(図書館貸出)→MDで鑑賞、というスタイルに逆戻りするような予感もするが……。

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290(06/12/16)
拙著とCイーストウッド監督作品の遠い関係。

 さて。クリント・イーストウッド監督の「男たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」が大入りで、早くもアカデミー賞の候補に推す声が高いという。僕もぜひ、劇場で観てみたい作品だ。同監督作品は「ミリオンダラー・ベイビー」しか観ていないが、静かな語り口のなかにズッシリとしたメッセージが感じ取られて、とても印象深い作品だった。

 それはともかく、「硫黄島からの手紙」製作にあたって、参考資料とされた書籍の1つに、栗林忠道・著の『「玉砕総指揮官」の絵手紙』(小学館文庫、630円)がある。この栗林忠道こそ、渡辺謙が演じる映画の主役で、硫黄島決戦において指揮を執った陸軍中将である。その栗林中将が留学中や戦中に娘や息子に向けて送った絵手紙を編集したのが同書籍。血なまぐさい戦争とはおよそかけ離れた日常を描いた、ほのぼのタッチの画風が胸をうつ。

 大ヒット中の同映画関連書籍として書店でコーナー展開され、平積みされていたようだが、それでも在庫が足りなくなったのか、ネット書店では時々売り切れ状態になっている。この書籍を編集したのは、拙著『小倉昌男の福祉革命』を編集してくださった編集者。映画のエンドロールでは、重鎮たちの間にはさまれてクレジットされたらしい。品切れでもすぐに重版されると思うので、ぜひ、書店で手にとっていただきたい。

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