オンフィールド音楽研究所 |
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2007,08,15 033●チャットモンチー(chatmonchy) 所長●僕がチャットモンチーを推薦することについて、キミはどう思う。 秘書1号(以下、1号)●さあね。別にどうも思わないけどね。 所長●あまりにも、あざといとか。 1号●いやあ。 所長●すでに人気者じゃねえか、今さらあんたに推薦して貰いたくない、とか。 1号●別に。 所長●今日はいつもにも増して冷ややかだなあ。 1号●猛暑だからね。少しは冷ややかにしないと。 所長●つれないなあ。 1号●いかにも、あんたが好きそうなバンドじゃないの。「あ〜あ」って感じ。 所長●バレましたか。 1号●バレバレです。というか、すでに「オンフィールド音楽大賞」でJ-POP新人賞に選んでたじゃないの。 所長●選んでたねえ。僕の目に狂いはなかったね。メジャーでは初めてのアルバム「耳鳴り」をゲットして、ただいま聞き込み中。 1号●それは、ようござんしたね。 所長●彼女たちの曲を聴いているとね、胸がキュンキュンしてくるんだよね。 1号●好きだよねえ、胸キュンが。 所長●僕にとって中高時代は失われた6年間だったから。 1号●50歳を過ぎてから青春時代の穴埋めをするんじゃない。 所長●空白の6年間を埋めることが、僕の生命力を支えている。 1号●あっそ。 所長●彼女たちの存在を初めて知ったのは、「SAPPORO BEER TOKIO HOT 100」に初めてゲスト出演した昨年6月のこと。「恋愛スピリッツ」を聞いて、いきなりノックアウトされた。アカペラの出だしで、そこからハードなサウンドになる例の曲。公式サイトをリンクしておこう。 1号●いつもながら、ノックアウトされるのが早いねえ。 所長●感性が豊かだから。てへっ。 1号●照れ隠しするなら、最初から言うな。 所長●こないだ「SPASE SHOWER TV」で、日比谷野音のライブ&ドキュメンタリーが放送されていたんだけど、もう、たまらんね。少しだけチェックしておこうと見始めたら、最後まで観てしまった。 1号●あんたを夢中にさせた理由はいかに? 所長●うーん、何だろう。やっぱり、あの年代にしか書けない曲をストレートに歌っているところかなあ。一生に一度は通り過ぎる、胸キュン時代ならではの歌詞がぎっしり詰まっている。 1号●ふうん。 所長●ボーカルの橋本絵莉子はかなりの人見知りらしいけど、そういう内向きなモヤモヤ感が、歌詞に生きている。やっぱり青春は悶々とした日々を過ごすのが正解だよね。 1号●特異な青春感だこと。 所長●さっきのテレビ番組の話題だけど、バンドはブレイクしている最中だから、メンバーも一生懸命で初々しい。日比谷野音の会場を見て「おおきーい」と感激しているところとか。 1号●小さなライブハウスをコツコツまわりながら人気を得てきたバンドみたいだからね。 所長●演奏そのものはまだまだ荒削りだし、拙いところが一杯あるんだけど、ブレイク中ならではの勢いで全部チャラにしているよね。「恋愛スピリッツ」とか「シャングリラ」みたいなヒット曲があと5〜6曲生まれて、会場中で大合唱できるようなバラードナンバーの名曲が生まれたら、しばらくは最前線で活躍できそうな感じ。プリプリの領域にたどり着くには、まだまだ先は長いけど。 1号●あんたは本当に女性ロックバンドが好きだよねえ。 所長●好きです、ハイ。 1号●ロック系の女性シンガーも好きだよね。 所長●好きだねえ、本当に。ついでに過去をほじくり出してみようか。70年代から80年代にかけて、それなりに人気を集めた女性ロックバンド、または女性がリードボーカルを担当しているバンド、そして女性シンガー。 1号●どれどれ。 所長●メジャーデビューの年号を添えた上で、列挙していくぞ。大物が漏れている可能性はあるが、そこは勘弁。まずは70年代だ。 1号●どれも伝説的なアーティストだね。 所長●人気はさほど高くなかったが、個人的には高田真樹子(74〜)も印象深い。「不機嫌な天使」は名作アルバムだ。大貫妙子は、今も時々無性に聞きたくなる。 1号●なるほど。 所長●続けて80年代に行くと、女性ロックの時代が一気に花開く。同じく列挙していくぞ。 1号●忘れ去られた名前が続々登場してきますな。やっぱり先駆者は白井貴子だろうね。 所長●うむ。白井貴子が耕した畑に、レベッカや小比類巻、プリプリなどが大輪を咲かせた、という印象だ。ポップス系では、種ともこ(85〜)、柿原朱美(86〜)、野田幹子(87〜)、遊佐未森(88〜)といったあたりも、個人的には忘れがたい。 1号●こっちも、久しぶりに聞く名前だ。 所長●どれも好きなアーティストだったが、ダークホースを挙げるとすればPearlかな。こないだ、古いカセットテープを整理していたら、カーマイン・アピスが参加した新生Pearlのアルバム「Pearl」(97年)を録音したカセットが出てきた。聞いてみると、かなり格好いい。確か、3rdアルバムの「センチュリー・トイズ」(88年)も秀作だった。このあたり、今はオークションでしか入手できないのは無念なり。 1号●一般的には、Pearlよりも、ソロ転向後の田村直美の方が有名だろうね。 所長●一応、紅白にも出たくらいだからね。まっ、小比類巻かほるも出場したけど。 1号●みんな、どうしているんだろう。 所長●今も地味ながら音楽の仕事をしている人が多いみたいだね。根強いファンが支えている。それにひきかえ、晶はいずこへ。 1号●晶って誰よ。 所長●2002年に、14歳でデビューした女性ロッカー。あどけなさのなかにロックな匂いをプンプンさせていて、存在感があった。今はなき深夜番組「トゥナイト」で特集されたこともあったが。 1号●ふうん。 所長●辛くも、ソニーミュージックのサイトにはまだ残っているので、リンクしておこう。確か香港の映画に出るとかいう話が当時あって、そのうち女優&シンガーとして大々的に売り出されるんだろうなあ、と思っていたが、音沙汰がプッツリ。 1号●そろそろハタチだから、新しい名前で再び出てくるかもね。 所長●まあ、こうして見ていくと、女性のミュージシャンは短命だよね。 1号●やっぱり、アイドル扱いをされるから、かも。 所長●そうねえ。チャットモンチーも年齢を経てから人気を維持できるかどうかがポイントだな。多感な年代のフツーの女の子の心境を、自分の体験をまじえた表現力で歌うのが彼女たちの持ち味だから、なおさら、年齢の重ね方が難しそうではある。でも、家族的な一体感で頑張ってほしい。 1号●家族的な一体感、って。 所長●例の日比谷野音のドキュメンタリーを観ていてつくづく思ったけど、3人のメンバーが家族に見えてくるんだよね。ベースの福岡晃子がお父さん、ドラムの高橋久美子がお母さんで、ボーカルの橋本絵莉子が天然系の一人娘、みたいな。 1号●お父さんに見られた本人の心境やいかに。 所長●でも、いちばん、どっしりしていそうなんだもん。こういう人がバンドの要にいるってことが重要なのよ。 1号●なるほど。 所長●徳島出身ってのもいいよね。同じく徳島出身のアンジェラ・アキなんぞに負けるなよ。 1号●別に競争させなくても。 所長●最後まで生き残った方には、徳島製粉の「金ちゃんラーメン」を1年分。 1号●ご褒美がそれかっ。 所長●じゃあ「金ちゃんヌードル」もつけようか。いわば、西のペヤングだぞ。 1号●微妙だなあ……。 -posted by 所長@19:43PM |
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