オンフィールド音楽研究所

2007,08,05

032●マラジューブ(Malajube)

所長●本日のご紹介は、マラジューブ。

秘書1号(以下、1号)●聞いたことない名前だな。

所長●読みやすくすれば、マラ・ジューブ。

1号●こらこら、変なところでナカグロ打つな。

所長●最近はあまり使われない隠語だから、若い人は意味分からないんじゃないの。

1号●絡まないで、とっとと受け流すことにしよう。

所長●マラジューブは珍妙なバンドでね、カナダ出身のインディーズバンドらしいんだけど、英語で歌わずに、フランス語で歌っているんだよね。

1号●フランス語で歌っているから、インディーズにとどまっている、という見方もできる。

所長●フランス語と言っても、ほとんどエフェクトみたいなのをかけているから、単語が聞き取りづらい。その意味では、シガーロス言語で歌うシガーロスに似たテイストと言えるかも。歌詞はどうでもいいんじゃないかな、と想像。

1号●あっ、そうなんだ。

所長●……と思って、日本語訳の歌詞を見てみると、けっこうエキセントリックで毒のある歌詞が続いている。意外と歌詞を大切にしているのかな。

1号●どっちなんだよ。

所長●……かと思えば、「言葉なんて通じなくてもいい」とインタビューで語っていたりするらしい。

1号●よく分からんね。

所長●言葉は通じなくても、サウンドに国境はない。まずは1曲、リードトラックをご賞味あれ。


http://fr.youtube.com/watch?v=UHwSk8bFS4M

1号●不思議なサウンドだね。シニカルな歌詞が中心のようだけど、音的には牧歌的な感じすらする。

所長●そうそう。基本的には、ほのぼのタッチのポップスなんだけど、曲によってはラウド系だったり、エレクトロポップ系だったり、時にはフォーク調にも変身。

1号●メチャクチャですがな。

所長●アコースティックギターのフォーク調で始まったかと思ったら、いつのまにか全然違う曲調に変わったりもする。なのに、全体を聴き通してみるとマラジューブ・サウンドとして調和がとれている。

1号●強いて言うならば、ビックリ箱的な世界か。

所長●そうそう。さっきのビデオクリップなんて、彼らのビックリ箱的な世界観がよく出ていると言える。ほのぼの感漂うタッチのイラストなんだけど、ドクロが出てきたり、立ち小便の液体が宙に漂ったり、突然怪獣が出てきたりと、次々と予想不可能な展開が繰り広げられていく。

1号●クセになる人には、クセになるサウンドかもね。

所長●うん。僕はけっこう、「めっけもの」だと思ってるんだ。CS放送で1回だけ見ただけなんだけど、どうにも気になって日本盤のアルバム「トロンプ・ルイユ」をゲット。期待を裏切らない出来映えだ。

1号●アマゾンのレビューでも、数少ないファンが褒め称えている。

所長●気持ちはよく分かるな。知名度もろくにないバンドだけに、「俺が見つけたんだ」みたいな満足感がある。人を食ったような珍妙なアートワークもgood。

1号●えらいお気に入りのようで。

所長●こういう音楽を聴いていると、細かいことはどうでもいいと思えてくる。シラフでラリッている、という先のアマゾンのレビューは言い得て妙だな。

1号●ギスギスした世の中だからね。

所長●まったくだ。こういう音楽でも聴いて、ほんわか過ごすと、長寿になれるかも。

1号●あんたも長生きが気になる年頃か。

所長●長寿もいいけど、オトコとしてまだまだ元気でありたいよね。

1号●あー。

所長●マラ丈夫、って。

1号●無理矢理にオチをつけたな。

-posted by 所長@17:14PM


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