オンフィールド音楽研究所

2007,05,03

025ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)

所長●昨日、久しぶりにCDショップに行ったのよ。

秘書1号(以下、1号)●久しぶりに、ね。

所長●近頃はすっかり、アマゾンやオークション、レンタルで済ませてきたからね。もちろん、空いた時間の穴埋めにぶらぶらしたことは何度もあったが、実際に「今日は買うぞ」という意志を持って店に向かったのは久しぶり。

1号●具体的な購買リストやいかに。

所長●ビョークの新作「ヴォルタ」と、トラヴィスの新作「ザ・ボーイ・ウィズ・ノー・ネーム」の購入が、主たる目的。この2作は1か月以上前から待ち遠しくて、発売日の5月2日に行ったのだ。

1号●わざわざ発売日に行ったところから、この2枚を買うぞ、という意志の固さが見え隠れしている。

所長●そうそう。でもね、2枚を視聴しながら思案して、結局見送ってしまった。2枚とも、そのうちレンタルできるだろうと思って。とくにビョークは前作「メダラ」が初めての空振りだったから、ちょいと二の足を踏んでしまったなあ。FMで最近かかっているリードトラックは、めちゃ、格好いいのだが。

1号●なるほどね。

所長●で、近くに並んでいたナイン・インチ・ネイルズの新作「イヤー・ゼロ〜零原点……」に思いがけず手が伸びて、購入。結果は正解だった。

1号●気に入りましたか。

所長●★5つはあげられないけど、★4つ〜4つ半ってところかな。僕としては上々の評価だな。

1号●とくに、どのへんが良かったのか、簡潔に述べよ。

所長●そうねえ。やっぱり、狂気的に重苦しい陰鬱な作品というところかな。

1号●それが心地よいと評価できる人は少ないけど。

所長●まあね。でも彼らが好きな人は、そのへんが心地よいんだよね。世紀末を思わせるような破滅的なサウンドをガチガチに緻密に作り込んでいて、好き放題に完成度を高めている感じ。60年代末期に一時的に用いられた「サイケデリック・ロック」はナイン・インチ・ネイルズにこそ、ふさわしいカテゴリー名称ではないかという気がするね。

1号●サイケねえ。

所長●それでいて、ナイーヴなメロディも、そこかしこに出てくる。でも、カラオケで歌うには似合わないメロディだ。まあ、唯一無二のサウンドだよね。彼らの新曲が10秒流れるだけで、ああ、ナイン・インチ・ネイルズだと分かる。

1号●確かに、誰にも真似できないサウンドだ。

所長●5年おきに新作を発表してきたのに、今回は2年ぶりというところにも、意欲が見える。これが全米で初登場2位らしいからね。向こうでは相当な評価が固まっている。ライヴも凄いらしいと評判で、5月の来日公演は早々とソールドアウトだ。

1号●ナイン・インチ・ネイルズについては、以前こちらでプッシュしてましたな。
http://www.onfield.net/otoraku/review/010.html

所長●そうそう。詳しくはそちらを参照あれ。一度見たら忘れられない「NIN」のロゴが印象的。ニン、ニン!

1号●忍者ハットリ君じゃないんだから。

所長●正確に言えば「忍者ハットリくん」だけどね。ちなみに、マンガの登場人物はこんな感じ。
http://homepage2.nifty.com/hattorido/meikan/meikan.html

1号●別にこれを紹介する必然性はないんだけど。

所長●でも2004年にSMAPの香取慎吾が主演して「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」として映画化されたじゃない。

1号●あー。

所長●SMAPファンのなかには、「NIN」のロゴが印象的なナイン・インチ・ネイルズのアルバムを、「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」のサントラ盤と間違って買った人がいるんじゃないかね。

1号●いるかなあ。

所長●いや、きっといるよ。1万人に1人はいると思う。きっと間違えた自分に腹を立てているだろうねえ。

1号●1万人に1人なら、いるかもな。

所長●映画を観た上に、間違ってアルバムを購入したら、弱り目に祟り目だよね。だって、映画「いかレスラー」ですら★が3.25点ついているのに、「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」に至っては★が1.54点だよ。こんな低い点数、僕は見たことがない。
http://moviessearch.yahoo.co.jp/detail/tymv/id320382/
http://moviessearch.yahoo.co.jp/detail/tymv/id319895/

1号●まあ、観てもいないのに評価を下げる目的だけで投票している人も多いように思うけど。

所長●ここまで評価が低いと、逆に観たくなってくるな。SMAPの中でも香取クンは個人的には好印象だし。昔々の実写版「忍者ハットリくん」と比べてみたい。あの実写版も、相当キテレツだったが。

1号●マンガの実写版が相次いでいるよねえ。「スパイダーマン」も元々はそうだし、テレビドラマもマンガ原作のオンパレード。最近では「ゲゲゲの鬼太郎」も映画化。

所長●「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」と同類のニオイがする。予告篇を観ただけで観たくないと思える、珍しい例だ。

1号●今回は映画の話題でしたっけね。

所長●この前ね、「ゲゲゲの鬼太郎」のプロモーション番組で、若い女性のタレントが面白いコメントを発していたよ。他の皆が「CGが凄そう!観てみたい」「素敵な妖怪に会えるのが楽しみ」とか、ヨイショしているのに、最後の1人が「砂かけ婆がどのように砂をかけるのか、観てみたい」って言ったんだよ。

1号●あー。

所長●こんなコメントあり?

1号●あー、ないだろうねえ。

所長●正直なコメントだよね。他に、言うことがなかったんだろうね。

1号●そうねえ。

所長●ということで、今回はこのへんで。

1号●おいおい、音楽評は他にないのか。

所長●だいたい書くべきことは書いてしまったから、あとはCDショップで試聴してみてよ。好き嫌いがハッキリ分かれる作品だからさあ。

1号●結局、「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」と「ゲゲゲの鬼太郎」のコメントの話題がしたかっただけでしょうに。

所長●バレましたか。ニン、ニン、ドロン!

1号●こらこら、雲隠れしてどうする。

-posted by 所長@02:51PM


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