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326(07/08/28)
珍客来訪。

 さて。もう1週間以上前の話だが、仕事場の台所の床にでっかい虫が這っていた。えっ、ゴキブリ?と思わず身構えたが、よくよく見るとカブトムシだった。記念にキーボードの近くに置いてパチリ。

カブトムシ

 そういえば、仕事場のアパートの壁に這いつくばっているカブトムシを見つけたのは、さらに数週間前だったろうか。「こんな所をウロウロしていても、食べ物にはありつけないだろうになあ」と思いながらも放置していたのだが、まさか家の中に入ってくるとは。たぶん窓の隙間から浸入してきたのだろう。記念写真の後は、近くの樹木に止まらせてやったが、ちゃんと、生きながらえているだろうか。

 僕などは公害真っ盛りの頃に住宅密集地で幼少時代を過ごしたから、アリ以外の虫たちに遭遇する機会は本当に少なく、たまにバッタを見つけるくらいだった。今は自宅に戻れば、小さな庭にバッタはもちろん、カマキリやら大きなガマガエルやら青虫の類が一杯いて、立派な黒アゲハなどもよく飛んでくる。今の時代なら、昆虫採集には困らないだろう。

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327(07/08/28)
社史づくりはジグソーパズルづくり

 さて。ここ数週間、次の社史執筆のための地道な作業が続いている。収集した取材テープを聴き直したり、いただいた膨大な資料を読み込んだりして、執筆時に役立つネタリストに加工していく。新たに湧いてきた疑問などを抽出するのも重要な仕事。自分なりに見いだした社史づくりのノウハウだが、やっている作業そのものは、地味そのもので、とてもクリエイティブな作業には見えない。だが、ここで手を抜くと後で頭を抱えてしまうのだ。

 いま進めている社史で、たぶん10冊目を超えると思うが、50年なり100年なりの会社の歩みをしっかり記録した資料を整えている企業など、まず、存在しない。現存する紙資料の大半は断片的であり、取材で得られる証言も断片的で、さらに記憶違いなどというものも混じっている。

 こうして集めた資料の数々は、言ってみれば、ジグソーパズルのピースのバラみたいなものだ。1万ピースすべてが一気に集まるなんてことはなく、しかも種類の異なる偽物ピースも時には混じっている。使えるピースか否か、ピースに映っている映像は何の一部か、それらをグループ分けしたり、記号化したりしながら、最終的にハメ合わされる画を想像していく。出口の見えない途方もない作業だが、ここがキモだ。

 地味で単調な作業は、まだしばらく続く。ちょっぴり刺激が欲しい今日このごろだ。

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328(07/09/23)
黄金の洋楽ライブ。

 さて。数週間前から楽しみに待っていた昨夜の「黄金の洋楽ライブ」(NHK-BS2)を、とくと拝見した。昨夜の特集は、僕が愛してやまない古参のUKハードロックバンド、ユーライア・ヒープだ。

 この日の案内役は、大槻ケンヂさん。恐らく、ユーライア・ヒープと山崎ハコが好きな人は、大槻さんと僕を含めて、この世に10人といないだろう。ここに障害者プロレスを加えると、たぶん、僕と大槻ケンヂさんだけ、なのではないかと思う。

 さて。昨夜放送されたのは1985年のライブだ。よりによって、最も華のない時代のライブ映像。5年間しか在籍していなかったリードボーカルのピーター・ゴルビーに馴染みは薄く、岡八郎のような容姿と相まって、何とも見栄えのしない時代である。この時代のアルバム自体は意外と完成度が高かったが、その分、動画で見ると寂しさが募る。

 昨夜は、全盛期の映像として1975年のライブ映像も最後に流された。だが、すでにわがまま放題だったとされる解雇直前のデビッド・バイロンのリードボーカルに艶はなく、歌い方も非常に荒っぽい。バックの演奏自体は、とても良かったのだが。「全盛期でもこのレベルか」と思われるのは辛いところだ。

 以前にも雑誌「大人のロック!」の連載で推薦したが、全盛期の彼らを知るファンには、2002年に発売された『THE MAGICIAN'S BIRTHDAY PARTY』というDVDをお薦めしたい。オリジナルメンバーのケン・ヘンズレーが22年ぶりにジョイントした記念コンサートを記録したもので、ステージ後方のスクリーンには全盛期の動画が投影されている。会場に詰めかけたファンの声援も暖かい。何度見ても涙がちょちょ切れるDVD作品だ。

 ユーライア・ヒープは幾度ものメンバーチェンジを繰り返しながら、今も現役で活動している。現在のリードボーカルは、ヒープの中でも最も在籍年数が長いバーニー・ショウで、安定した歌いっぷりに好感が持てる。来年1月には9年ぶりの新作アルバム発売が予定されており、ぜひとも、プロモーション来日をしてもらいたいものだ。

 今回「黄金の洋楽ライブ」でユーライア・ヒープが取り上げられたことで、B級バンドという評価は、より強固になった。だが、僕の心の中では永遠のA級バンドである。

●参考リンク
隠れ名盤 世界遺産「ソールズベリー」(ユーライア・ヒープ)

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329(07/09/25)
銀座の画廊巡り。

 さて。とある目的があって、今日は銀座の画廊巡りをしてきた。事前にリストアップした画廊を10数軒と、通りがかりに立ち寄ったところも含め、20軒近くは覗いただろうか。

 画廊と一口に言っても、単なる場所貸しの画廊もあれば、日常的に売り物の絵画をストックしている画廊もあるのだということに、初めて気づいた。多いのは圧倒的に前者の方で、結果的には名も知らない人の個展をいくつも覗くことになったのだが、興味深いアーティストが何人かいて、なかなか面白かった。

 後で思い返してみると、興味をそそられたのは、いずれも女性作家。男性に比べて、女性作家の方がテーマの選び方や手法に斬新さが見られたのは、偶然だったのだろうか。いずれにしても、とても手が届く値段ではなかったが、ちょっぴりアートな刺激をいただいた一日だった。

 なかでも面白かったのは、十以上の画廊が入居しているという銀座三原通り沿いの奥野ビル。昭和7年に建てられたというレトロな建物で、中に入ると、何と、手動のエレベーターだ。どうしていいか分からず、まごまごしていると、ビルのどこかに勤めていると思われる女性が、手慣れた手つきで操作をしてくれた。
●銀座好景録「Vol.06 銀座アート伝える長老ビル」(枝川公一)

 銀座は、表通り沿いに高級ブランドショップが並ぶ敷居の高い街ではあるが、路地をこまめに歩いてみると、庶民的な店や江戸風情の店構えなどがそこかしこにある。その一方で、有楽町再開発の影響か、あちこちで古いビルが建て壊され、周囲に槌音が響く。時代に流されない堂々とした表情と、時代の移ろいを感じさせてくれる銀座。そろそろ涼しくなってきたし、銀ブラなどは、いかがか。

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330(07/09/28)
たいやき屋さんオープンセレモニー。

 さて。京王電鉄の西調布駅から徒歩5分ほどのところに、「夢ある街のたいやき屋さん」西調布店がオープンすることになり、本日、オープニングセレモニーに列席させていただいた。上記のリンクをご覧いただければ分かるように、障害者が働くお店だ。

セレモニー

 このお店を出店したのは、拙著「小倉昌男の福祉革命」(小学館文庫)の末尾にも登場した大塚由紀子さんが社長を務める株式会社福祉ベンチャーパートナーズ。福祉起業家の支援を行う経営コンサルタント業の会社だが、今回はコンサル自らがお手本となるべく、実店舗を展開した。同たいやき屋さんは全国展開を行っているフランチャイズチェーン(本部はファンシーコーポレーション)だから、フランチャイジー(加盟店)として出店した、ということになる。来年には調布市内の某所で2店目の出店を予定しているようだ。

 「たかがたいやき」などと侮るなかれ。縁のある人が立ち上げた店だからヨイショするわけではないが、メニューはいずれも想像以上の美味で、そんじょそこらのたいやきとは、ワケが違う。

 つぶあん、カスタードクリームともに、後を引くような嫌みな甘さがなく、素材の良さがよくわかる。通常は、日持ちをよくするために必要以上に甘くするものだが、店であんこを作ってその場で消費するため、甘さは控えめ。ちゃんと、小豆本来の味が残っている。そう、昔々自宅で手作りしたあんこのような、自然な美味しさだ。カスタードクリームは上等な洋菓子といった趣。賛否が分かれそうな「お好み鯛焼き」も、食べてみれば「これもアリ」だということがよく分かる。

 店長の川合澄江さんは、以前は障害者施設(授産施設)で働く職員で、障害者の給料を少しでも上げようと「バイバイプロジェクト」を率先していた実績の持ち主。民間企業に身を転じて取り組んだ最初のプロジェクトが今回の店だったようで、今日のセレモニーでは挨拶の舞台で感極まった様子だった。この店に賭ける意気込みが静かに伝わってくる、いい挨拶だった。

 正式オープンは明日の土曜日。これからが本番だ。どうかどうか、地域に愛されるお店として、定着しますように。

チラシ

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