096〜100

097へ
098へ
099へ
100へ











096(03/07/08)
リバイバルヒット予報

 さて。ジェリー・ウォレスが歌って1970年末に大ヒットした「男の世界」がカバーされたようで(今月末発売)、8月にかけてヒットしそうな兆候あり。このごろJ-POP界は過剰なマーケティングによる自己中毒に陥っているから、過去の大ヒット曲のリメイクが頼りだ。

 そこで、今後、何がカバーされそうか予想してみた。メロディラインは馴染みがあるものの、アーティスト名も曲名も記憶の彼方に消えたような作品がねらい目。

 可能性大と思うのは、71年の大ヒット「ナオミの夢」(ヘドバとダビデ)。同じ洋楽系では、やはり71年ヒットの「ハロー・リバプール」(カプリコーン)、「ローズガーデン」(リン・アンダーソン)、70年の「霧の中の二人」(マッシュマッカーン)のほか、オズモンドブラザーズ(オズモンズ)やモンキーズ、デビッド・キャシディーとパートリッジ・ファミリー、ダニエル・ビダルの作品あたりも可能性はある。

 邦楽系では、「黒ネコのタンゴ」(皆川おさむ)、「真夜中のギター」(千賀かおる)、「太陽の季節」(青い三角定規)などが有力と思うが、南沙織、いしだあゆみ、奥村チヨ、弘田三枝子あたりの曲や、有名なアイドルの中ヒットクラスの楽曲が蘇る……というのも十分ありえる。つんくなら、ハロプロで「ハチのムサシは死んだのさ」(平田隆夫とセルスターズ)や、山本リンダあたりを狙うかも。

 意外なところでは、演歌のリバイバルがそろそろ出てくるのではないか。例えば藤圭子のヒット曲などは、宇多田ヒカル絡みで話題になるだろうから、誰かが売り出しそうな予感。

 また、ラップやR&B、レゲエ、ボサノバなどが日本風にアレンジされて定着しているが、次はカントリーが来そうな予感がちょっぴり。何の根拠もないが、路上ライブから火がついて男性2〜3人組がブレイクすると、勝手な予想をしておこう。バンジョーの早弾きなどができれば、吉田兄弟並の注目を集められる。

 予想はあくまでも予想。一部が当たれば、御の字。

先頭へ 最後尾へ


097(03/07/08)
家庭菜園のその後

 さて。家庭菜園は予想以上におおむね順調で、勢いよく苗の背が伸びている。

 一番最初に花が咲き始めたのはミニトマト。次々と小さな黄色い花を咲かせ、花がしおれた頃に、芯のあたりからプックリ青い実が顔を覗かせる。一番最初についた実は、どんどん膨らんできて、ミニトマトどころか、普通のトマトに近い大きさになろうとしている。これでも正常なのだろうか。あるいは、育て方が悪くて異形のミニトマトなのか。いずれにせよ、あと1〜2週間で収穫できそうな気がする。

 目に見えて背丈を伸ばしているのは、枝豆だ。成長のスピードは驚くほど速く、放っておいたら天まで伸びそうな勢い。こんな様子から童話『ジャックと豆の木』が生まれたのかもね、と連れ合いが言っていたが、さもありなんと納得。数日前から、花らしき白いつぼみが一斉に点在し始めた。

 ゴーヤは、周囲の苗にクルクルと巻き付き、甘えん坊のように絡みついているだけで、実が出来そうな気配がまるでない。梅雨が明け、夏空が広がらないと、自分の出番が来ないと思っているのだろうか。周囲の植物の元気の良さに圧倒されているのか、いかにも頼りなさげなのはオクラ。こいつが一番心配だ。

先頭へ 1つ上へ 最後尾へ


098(03/07/12)
なだいなだ氏、意気軒昂

 さて。インタビュー取材で、なだいなだ氏にお会いした。精神科医としてアルコール依存症患者の回復に尽力し、作家、エッセイストとしてもご活躍、60年安保以来、体制に対して歯に衣着せぬ物言いをしてきた方である。

 一時期ほどテレビなどでお目にかかる機会がない氏の印象は、遠い記憶の中に刷り込まれている。少し歳の離れたお兄さんくらいの年齢、と勝手に思い込んでいたのだが、今年で74歳、僕の親に近い世代だ。

 そのなだ氏が、年齢など感じさせないほどに意気軒昂だった。最近では、バーチャルな政党として「老人党」を旗揚げした。大人しくて従順、世の中に対して物言わぬ存在となりつつある高齢者世代をバカにするような政策ばかり遂行する政治家を、次の選挙で落とそうと呼びかけている。(氏のホームページへ

 それはそれとして、なだ氏ほどの人物になると、実にわかりやすい世界情勢の読み解き方をする。ワケのわからない中東情勢についても、ユーモアを交えながらご自分の言葉で語る術をもっていて、その知性の豊かさには本当に脱帽させられた。適当なコメントしかできないテレビニュースの解説者とは、比べものにならないほどの価値だ。こういう「滋味の深い物言いができる語り部」に、もっともっと活躍の場を、と思った。

先頭へ 1つ上へ 最後尾へ


099(03/07/15)
朝青龍がいかほど悪いのか?

 さて。この前の場所あたりから、朝青龍バッシングが生まれ、今の名古屋場所でピークに達している。

 相撲は、大きな範疇から見れば格闘技だ。力と力、技と技のぶつかり合いである。ヤンチャな荒くれ男がいたって、全然不思議はない。朝青龍のやっていることだけが、相撲道に反しているのか。その他の力士は、一点の曇りもなく清く正しく振る舞っているのか。どう見たって、モンゴルから来た異分子=朝青龍をことさらヒール(悪役)に仕立てようとしているスポーツ紙、観客不入りからそれを咎められない相撲協会の弱腰、その憂き目を一身で背負っているのが朝青龍自身ではないのか。

 朝青龍に、ある種の「しつけ」が必要なのは、事実だろう。だが、それ以上に「しつけ」が必要なのは観客だと思う。ふがいない取組をする力士を叱咤激励する意味で「ふるさとへ帰れ」とヤジるくらいならまだしも、横綱の土俵入りでタレ幕を掲げるなど、無礼を知りなさいと言いたくなる。さらに、何かにつけて座布団を放り投げようとする観客の行儀の悪さの方が、ずっと不愉快だ。

 体を鍛え、土俵に立つ「チカラビト」への尊敬のまなざしというものが、もっと欲しい。異国の地から日本に来、慣れない相撲界の習慣に戸惑いながらも、自力でのし上がってきた力士たちには、なおさらのことだ。松井選手がヤンキースタジアムで「帰れジャップ!」と言われたらどう思うのか。日本人の想像力の欠如に、頭が痛い。

先頭へ 1つ上へ 最後尾へ


100(03/07/21)
小布施の街は、気持ちのいい街

 さて。7月20日の日曜日、長野県小布施町で開かれた「第1回小布施見にマラソン」に参加、21.0975kmを何とか踏破することができた。連れ合いとの参加で、タイムは共に3時間53分。完走者は667人で、僕たちは629位と630位の成績だった。最初から走るつもりはなく、歩いて完走できればいいと思っていたので、上々の結果だ。

 このマラソン大会、「見に」マラソンというネーミングにも表れているとおり、競技記録優先の大会ではない。小布施の街をぐるぐるまわりながら、その豊かな自然や人々との交流を楽しもうという趣向だ。もちろん本気でマラソンした人もたくさんいて、1位の記録は1時間19分だったが、最後は84歳のおじいさんが4時間35分をかけてゴールインし、拍手喝采を浴びていた。

 途中、地元のボランティアさんが何人も給水所に待機し、コースに接している家々では家族連れで旗を振ったり、果物や野菜の差し入れをしてくれるなど、心づくしのサポートが実に気持ちよかった。なかでも、ポイントポイントで披露されたジャズやクラシック、ベンチャーズサウンドの生演奏は心憎い演出で、そのつど力が湧いてきた。ホスピタリティ精神あふれる、すばらしいイベントだった。

 小布施は、葛飾北斎が晩年を過ごした地として知られ、古くからの造り酒屋や栗菓子屋もあり、趣のある街だ。造り酒屋にアメリカ人女性がやってきて、昔ながらの木の樽を使った酒を復活させると共に、新しい和食レストランを開業し、「街おこし」の見本のような成功を収めている。連れ合いは、このアメリカ人女性を以前から取材していて、その関わりから今回初めて小布施に行ったのだが、心から堪能させてもらった。

 町おこしの中心となっている桝一市村酒造場の純米酒「スクエア・ワン」は僕の大好きなお酒。その酒蔵を改造してオープンさせた和食レストラン「蔵部(くらぶ)」の料理も実にすばらしかった。共に、華美に走ることなく基本に忠実で、真っ正直なおいしさ。皆さんにも味わって欲しいと思う。

 小布施の中心街では、一部にはちょっぴり、清里化(原宿化)する兆候も見られたが、街の人間がしっかり街のアイデンティティを守っていけば、あのような見苦しい変貌はしないだろう。一度、小布施へ行ってみてほしい。そして「蔵部」にもぜひ。

先頭へ 1つ上へ


続けて読む(101〜105へ)

バックナンバー