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091(03/06/10)
金子勝教授の痛快

 さて。某雑誌の取材で、テレビの討論番組にも時折出演されている、慶應義塾大学経済学部の金子勝教授にお会いした。“がんこ系教授”“悪魔の予言者”とも称される氏による日本の現状分析は、「そうだったのか」「なるほど」の連続。ご自身の書籍などでプロフィールに「現実から乖離した経済学の現状を批判し、説得力ある分析・評論を続けている」と書かれているが、額面通りだった。「右向け右」の今の日本にとって、このような人材はきわめて大切だと実感。

 本当は、お聞きした内容の概要だけでも書きたいところだけれど、雑誌で発表することを前提に取材した内容を、勝手に書くわけにはいかない。ここでは、金子勝教授の言動は要チェック、ということだけを記しておこう。頭脳明晰、歴史認識も的を射ており、マスコミが見失いがちな冷静な視点を、しっかりお持ちだ。一見こわもてだが、人柄はきわめてフレンドリーで、我々のような取材者にも腰が低く、一度でファンになった。

 最新刊に、テレビ朝日の局アナ・丸川珠代さんとの共著で「ダマされるな!」(ダイヤモンド社)がある。一読を薦めたい。

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092(03/06/10)
IP電話はなかなか
快適。だけど……

 さて。僕が契約しているプロバイダで、IP電話に加入した。同じグループのIP電話どうしなら、通話料は何とタダ。一般加入電話への電話は、全国一律で3分8円、アメリカへの国際電話は1分9円だ。安い。べらぼうに安い。しかも、心配された通話の品質は上々だ。同時にISDNをやめたせいもあるのか、むしろ、以前よりも相手の声が聞き取りやすくなった。

 町中では、Yahoo! JAPANがIP電話つきのADSLキットを無料で配りまくっている。ちょうど、一時の携帯電話(PHS)ばらまき合戦のよう。配っている面々のファッション傾向から、当初は光通信の新しい商売かとも思った(違うらしい)。

 それはともかく、IP電話でこれから通信料は大きく下がっていく。この商売のビジネスモデルは、いったいどうなっているのだろう。タダは嬉しいけれど、その分、どこかで収入は減っていく。デフレ経済の片棒を担いでいる感じもして、先行きが心配ではある。そのうち、NTTが大リストラを始めることになるのではないか。時代の流れとはいえ、急激な流れに戸惑いは隠せない。

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093(03/06/13)
「間引き」思想になじめない

 さて。5月の終わりに土に植え替えたミニトマトの苗は、毎朝見るたびに背が高くなり、早くも黄色い花がつきはじめた。あっけないほどに成長がいい。あと一ヶ月程度で、初めての収穫となるのか。同じ時期に土に植え替えたゴーヤは、ゆっくりと成長している。こちらは、支柱にツルをくるくると絡ませていく姿が、可愛くて仕方ない。母親の足下にからみついている幼児のようだ。

 一方、タネで植えた枝豆とオクラは芽を出し、こちらもすくすくと育ち始めている。育て方の指導によれば、本葉が数枚出た頃には、成長の弱いものをつみ取る「間引き」をしなさい、とある。土壌中の栄養分を、育ちのいいものに優先的に振り向けるためなのだろう。これが定説とは重々わかっているが、人間で言えば「良き遺伝子のみを後生に残す」優生思想みたいなものなので、どうも抵抗がある。

 森林を育てる場合も、比較的育ちの悪い木を伐採し、元気な木がより育ちやすい環境を整えるステップが重要と聞く。ここで早々と切られてしまった木(を製材したモノ)が、いわゆる間伐材。よくエコ商品で売り文句に使われている「間伐材使用」という文言は、森では役立たずで捨てられる運命にあった木を大切に使った製品ですよ、という意味。

 では、野菜作りで間引きされた苗たちは、どうすればよいのやら。知恵が働かないので、とりあえず、間引きした苗の一部を、新たに購入してきた鉢に移植してあげた。鉢は、いわば養護学校のようなものか。元気ですくすく育つ苗よりも、なにやら愛おしさが募る。

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094(03/06/30)
素人娘たち=t.A.T.u.の騒動

 さて。昨日、一連のt.A.T.u.=タトゥー騒動について、このコーナーに書いていたが、彼女たちおよびスタッフへの批判をすればするほど、相手の思うつぼだということが、ようくわかってきたので、一度は書いていた内容をすべて削除した。

 今回は、わがままなお騒がせ娘を演出するための来日だったと断言できるだろう。彼女たちおよびスタッフに対して必要なのは、批判ではなく、無関心でいること。大衆文化ウォッチャーとしては興味津々な出来事だったが、彼女たちが売れている間は、その話題を書くことをやめたい。

 ただ、当日のテレビ朝日「ミュージック・ステーション」(27日、金曜日)出演者の中で、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTが、ほとんど唯一のプロ根性をもったアーティストだと感じたことだけは、記しておく。

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095(03/07/06)
芋焼酎が、ウマい

 さて。寝酒に何を選ぶか。

 これまで、日本酒、ウイスキー、梅酒、ジン、ウォッカ……と経てきたけれど、最近はもっぱら「いも」の焼酎がお好み。当初は、鼻につく臭いで嫌っていたのだが、飲み慣れてしまうとこの臭いがたまらなくイイ。もう、おっきなペットボトルに入って安売りされている、ただの蒸留酒=甲類焼酎なんてお呼びじゃない、って感じだ。「いいちこ」のようなそば焼酎みたく、洗練されすぎていないところがいい。

 流行におもねたつもりはないが、巷でも焼酎がトレンドになっているらしい。数週間前、東京再開発によって生まれた超高層ビル街の一つ、汐留に行ったのだが、ビルの地下には全国各地の珍しい焼酎がズラズラ並んだお店があって、たいそうなにぎわいだった。後生大事に瓶(カメ)に入った高額な焼酎もあったりして、見ているだけでも楽しい。

 日常酒としては、メジャーな「さつま白波」あたりで十分だが、見たこともないような銘柄をいろいろと試してみたい。

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