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086(03/05/09)
緑装束、桃色装束

 さて。白装束集団(毎日、読売、産経新聞)、白装束団体(日経新聞)、白ずくめ集団(朝日新聞)と呼び方はさまざまだが、テレビは朝から晩まで、白っぽい画面を飽きもせず流し続けている。テレビ屋としては、これほどオイシイ、絵になる面々はいないのだろう。(→千乃正法白装束電波資料

 初期のオウムみたいだ、などと言う人もいるが、そこまで犯罪者扱いをするのはいかがなものか。それを言い出せば、幼い頃の宮崎勤みたいだ、幼い頃の松本智津夫みたいだ、などと表現できる人は、そこら中にいる。知らん顔して遠くから見守る程度が、ちょうどいい。個人的には、突拍子もない発想を繰り広げる女性代表と、これを慕い続けるメンバーたちの頭の中を覗き込んでみたい興味がうずくが。

 さて。巷では緑装束、桃色装束の大人たちを時折見かけることがある。たぶん、好きな色が緑や桃色で、服や鞄などを買うときについつい同じ色のものを選んでしまい、気が付いたら上から下まで同じ色だった、ということなのだろう。自分を客観視することができれば、こんなことにはならないのだけど。

 実は、僕にも同じ経験がある。仕事に行き詰まりを感じ、精神的にも余裕がなかった会社員時代末期のことだ。ある日、出かけた先で、上から下まで同じような色のものばかり身につけていることに気づいて赤面した。好きな色で全身を包み込むことで、外敵のようなものから身を守りたい、安住できる場所に身を置きたいという意識が、そうさせていたのだろう。はからずも、当サイトのトップページも“緑装束”に衣替え。

 白い布で覆い尽くす彼らを、そこまで追い込んでいるのは何か。やっぱり興味津々。札所巡りのお遍路さんたちが不当な扱いを受けないか。これも、ちょっぴり心配。

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087(03/05/10)
「土門拳賞」受賞パーティで

 さて。優れたフォトジャーナリストに贈られる「土門拳賞」に、写真家の広河隆一さんが選ばれた。広河さんは、古くから中東方面の戦渦の中を撮影し続け、イラク戦争でもバグダッドに滞在。今回は『写真記録パレスチナ』が受賞作となった。戦車に迫られ、銃を向けられても執拗に「事実」を切り取り続けてきた功績には、頭が下がるばかり。

 僕と広河さんに直接のつながりはないが、僕のパートナーは、かの雑誌『DAYS JAPAN』(講談社)時代に広河さんの助手を務めていたため、9日の受賞パーティに2人で出席させていただいた。受賞報告の席上での、「みんなの、真実を知りたいという衝動に背中を押されて、戦地に赴いている」という発言がとても印象的。数日後には、再びイラクへ渡航するようだ。

 フォトジャーナリズムの世界は、経済的にきわめて厳しい状況。イラクに渡るにも、航空券代をスパッと出せる編集部がないため、写真が売れるかどうかもわからないまま、身銭を切って渡り、危険に身をさらさなければならないのだから。「真実を知りたい!」と一般人が要求し続けることが、広河さんのような写真家に発表の場を与えることにつながるのだ、ということ。

 さて。ジャーナリストなんて呼ばれたら逃げ出してしまうような、のほほん系雑食ライターの僕にとって、ジャーナリズムの世界は近くて遠い世界。パーティ席上に誰か一人くらい、知っている業界人がいないかと思っていたけど、知らない人ばかりで、ちょっぴり緊張した。

 いや、正確に言うと知っている人はいた。ただし、僕の方が一方的に知っているだけの有名人だ。例えば、生放送数時間前の筑紫哲也さん、政治家の中村敦夫さん、NHKの男性アナウンサー(名前は覚えていないけど)、川田龍平さん、見城美枝子さん、といった感じ。

 パーティ後、広河さんの写真や原稿を多く担当したデザイナーさんの呼びかけで、数人が喫茶店に流れた。そこではAIDSをカミングアウトした川田龍平さんもご一緒。最近、メディアで見る機会が少なく、どうしているんだろうなあ……と心配だったのだが、なかなかお元気そうで、ほっと安心。ミーハーな僕などは、少し近況をお聞きしたかったが、二、三、言葉を交わした程度で自重した。

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088(03/05/23)
野ゆき、山ゆき

 さて。18日の日曜日には、フリーランスの組合=出版ネッツの仲間4人と一緒に、奥多摩にある棒ノ折山(標高969m)へハイキングに出かけた。自分で作ったお弁当を持参。JR青梅線の川井駅で下車し、数キロ離れたバス停終点からの出発だ。

 初心者向け、と聞いていたので、「ちょっくら散歩気分で」出かけた。事前にネットで検索したところ、「気軽に登れる山で中高年も多い」という記述があったので、安心していたのだが、思いの外、急な登山道の連続で、すっかりへこたれた。どんよりとした曇り空で、気温も低めだったのだが、半分くらい登ったところで、もう汗びっしょりだ。着替えのシャツを持っていったのは大正解。

 大変だったのは下りで、少し下り始めた頃には膝が笑い出し、しばらくいくと、膝の震えが止まらない。「膝が笑う」どころか、「膝が笑い転げている」状態なのだ。見るに見かねた仲間が、転がっている木で杖を作ってくれたので、助かったが。

 後で気が付いた。これは「登山としては初心者向け」だが、「ハイキングとしては明らかに中級者以上」だと。

 フリーライターは、一日中家の中で机に座って仕事をしている。故に、体力が衰える。しかし、ここまで体力が衰えているとは思わなかった。「よし、これからは、風呂に入る前にスクワットをやるぞ」。そう決意したのだが、まだ一度もやっていない。


写真で見る限り、緩やかに見えるが、実はもっと急な登山道が延々と続く。

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089(03/05/29)
野菜を植えました

 さて。密かなブームを呼んでいるガーデニングへのアンチテーゼとして、小ジャレたハーブや西洋植物には見向きもせず、野菜を植えてみることにした。自分で植物を育てるのは、たぶん、小学生時代に植えたヒマワリ以来のこと。

 植物の名前すらろくに知らないシティボーイ(死語)として育ったため、栽培のイロハをまったく知らない。雑誌やネットで調べたところ、トマトはナス科の植物で、同じ土壌では連作ができないそうだ。こんなこと、初めて知った。確かにトマトとナスは、色や形を無視すれば、質感が似ている。トマトとナスは料理でも相性がいいが、実は近親者だったのか。デビュー直後の宇多田ヒカルが、実は藤圭子の娘と判明した時と、同じような驚きだ。……いや、少し大げさ。

 DIYの店で、園芸のコーナーはいつも素通りしていたが、売られている商品をまじまじ見てみると、理にかなったモノが世の中にはあるのだなあと、つくづく納得。まだ、用途の不明な園芸用品も数々あるが、そのうち「これはね、こういう時に便利なものなのサ」なあんて、うんちくを垂れ始めるのかもしれない。

 5月半ばに買ってきた“野菜の素”は、ミニトマトとゴーヤの苗、そしてエダマメとオクラの種だ。買ってきてすぐに土に植えようとしたものの、「まずは土づくりが大切」と知って、石灰をまいたり、腐葉土をまいたりして、おあずけ状態。今朝早起きして、苗だけを植えた。種は来週のお楽しみ。

 ヒマワリは種さえまけば頑丈に育つが、野菜ではそうもいくまい。一ヶ月もすれば病害虫の心配も出てくるだろう。さてさて、どうなりますやら。


左からゴーヤ、そしてミニトマト2つ。

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