オンフィールド音楽研究所

2008,6,4

043●ユーライア・ヒープ(Uriah Heep)

所長●6月4日に、いよいよユーライア・ヒープの新作が出たのだ。

秘書1号(以下、1号)●はー。

所長●9年半ぶりというか、10年ぶりというか、とにかく久方ぶりに新作が出たのだ。よって、これを記念したい。

1号●10年前にオリジナルアルバムが出ていた、ということも驚きだが。

所長●失礼なヤツだな。ずっと現役で活動してるんだから、たまには新作も出すさ。

1号●「まだやってたの?」と思う人も多かろう。

所長●1970年に誕生したバンドだから、40年近くになる。スタジオ録音のオリジナルアルバムとしては21作目だ。

1号●長くやっていればいい、ってもんでもなかろうに。

所長●長くやっていればいい、ってもんでもあると思うけどね。長寿バンドとしては、ストーンズに続くほどの存在かもしれん。

1号●ストーンズの上には、ベンチャーズもいるぞ。

所長●あー、確かに。できればベンチャーズとは一線を画したいな。

1号●かつて全盛を誇ったバンド、という意味では同類だけどね。今の10代、20代でユーライア・ヒープのこと知っている人なんているのかね。

所長●うーむ、少なくとも日本では難しいだろうな。そもそも、今の若者世代はあんまり洋楽を聴かないみたいだし、ましてやハードロックとなると、さらに市場は狭まる。

1号●だろうな。

所長●そんなロックの歴史も知らぬ不届き者は、wikipediaで予習すべし。
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ユーライア・ヒープ&oldid=20010986

1号●けっこう詳しく記述されているね。

所長●ハードロックの歴史を簡潔に知りたければ、「大人のロック!」最新号も参考になろう。ヒープも歴史の1ページを構成してきたことは、明白だ。おまけに最新号では表紙の右下に名前も記されている。
http://ent.nikkeibp.co.jp/ent/rock/

1号●とっても小さい文字だけど。

所長●wikipediaにも記述されているように、新作のタイトルは「ウェイク・ザ・スリーパー」だ。ジャケットはこんな感じ。

「wake the sleeper」ジャケ写

1号●しかし、何で、大仏さんなんだろう。

所長●分からない。さっぱり分からない。

1号●大仏さん=スリーパーなのだろうか。

所長●ということは、「ウェイク・ザ・スリーパー」は「大仏を起こせ」という意味になる。

1号●何だか、映画「大魔神」みたいだな。

所長●分からん。さっぱり分からん。

1号●分からないよねえ。

所長●でも、肝心の音源は、なかなかいいぞ。ここで全曲、短めの試聴ができる。とくに1曲目は、ヒープの大復活を感じさせてくれる名曲と見た。
http://www.wake-the-sleeper.com/

1号●ハードロックど真ん中の楽曲だということは認めよう。

所長●唯一のオリジナルメンバー、ミック・ボックスのギターを前面に押し出したバンドとして、まさしく覚醒した感じがするよ。

1号●まあね。PVがあるなら、ちいと観てやってもいいが。

所長●それがなさそうなんだよね。数少ないヒープ支持者である音楽評論家、伊藤政則さんの番組「Rock City」でも、PVなしでは紹介されないだろうなあ。

1号●本人たちは試聴サイトを設けるなど売る気満々でも、レコード会社は笛吹けど踊らず、か。

所長●日本のユニバーサルにも、果たして売る気があるのやら…。アマゾンでは発売当日になってもジャケ写が掲載されていない。同日発売の他の洋盤はちゃんとジャケ写が出ているのに、だよ。ユニバーサルのサイト内で、ヒープのコーナーが立ち上がったのは発売の1週間前。営業さんは、もっとしっかりやってほしいよお。
http://www.universal-music.co.jp/u-pop/artist/uriah_heep/

1号●最初から、既存のファンしか相手にしてないだろうからね。5000枚も売れれば御の字、って感じじゃないの?

所長●悲しいねえ。

1号●ハッキリ言って、新作よりも旧譜やベストものの方が売れるだろうからね。ま、仕方ないよね。

所長●これではいかん。今回は、どうすればユーライア・ヒープが日本でもう一度売れるのか、考えてみることにしよう。何か、いいアイデアはないか。

1号●……。

所長●おいおい、急に黙るなよ。

1号●……。

所長●お願い。ねえったら。

1号●無理だね。

所長●あー。

1号●せめてプロモーション来日でもすればね。

所長●無理だろうなあ、そんな気配がまるでないからなあ。前回の来日時に小さいハコで演奏させたから、相当、日本に対しては印象悪いと思うよ。

1号●地球の端っこなんて、行ってるヒマあるかい、って感じだろうね。

所長●たまに南アジア方面には来ているから、ちょっと北上してくれたら、と思うんだけど。

1号●日本に来ても、取り上げてくれるマスコミが少ないだろう。

所長●じゃあ、SMAPの誰かをユーライア・ヒープのファンにして、スマスマで共演させるとか。

1号●無理くり。

所長●TOTOみたいに、歌唱指導なんかさせないから、とか言って。

1号●あり得ない。

所長●じゃあ、数少ないヒープファンのマーティ・フリードマンにも声をかけて、「食わず嫌い王」対決をしてもらうとか。

1号●誰がそんな番組観るの。

所長●同じUHイニシャル同士で、宇多田ヒカルと「食わず嫌い王」対決という手もある。

1号●対決をする必然性がない。

所長●宇多田ヒカルのビデオクリップ集DVDに「UH1」「UH2」「UH3」「UH4」というのがあるんだけど、いっそヒープの新作を邦題だけ「UH5」にして売るとか。

1号●詐欺じゃねえか。

所長●じゃあこれならどうだ。ヒープの曲が数秒間だけ頻繁に使われている「タモリ倶楽部」にゲスト出演。

1号●テーマは。

所長●んー。空耳の生演奏とか。

1号●意味ないね。

所長●しょこたんに「ギザカワユス」と推薦してもらう、ってのは。

1号●そもそも、可愛くないし。

所長●難しいなあ、どうすればユーライア・ヒープの新作が売れるんだろう。

1号●あらゆるアイデアは無理だと思うよ。

所長●じゃあ、売れますようにと願をかけるしかないか。

1号●もちろん、大仏さんにね。

所長●どうか売れますように、数年で廃盤なんてことがありませんように……。これじゃあ、新作発売“記念”じゃなくて、“祈念”じゃないか。

-posted by 所長@10:45AM


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