オンフィールド音楽研究所 |
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2006,12,29
020●アークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys) 所長●2006年の洋楽ロック界、最大の収穫はアークティック・モンキーズのデビューかもしれない。デビュー盤のタイトルは、「ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット」。 秘書1号(以下、1号)●なかなか玄人筋の評判もよろしいようで。 所長●ウルサ型の音楽誌「ミュージック・マガジン」1月号の「ベスト・アルバム2006」では、ロック[イギリス]部門で、重鎮ザ・フーの24年ぶりの新作を抑えて堂々の6位に入った。 1号●数多のUK新人ロックバンドのなかでは、唯一評価された感じ。 所長●ミーハー路線の音楽誌「ロッキング・オン!」2月号の「ALBUM OF THE YEAR 2006」では、何とまあ、総合2位だよ。レッチリに続いて。 1号●海外ではチリペッパーズ、と略すらしいけどね。 所長●もひとつ、スペースシャワーTV(CS放送)の「洋楽ワールドワイド」でも、今年の代表的なアルバムとして大評価。 1号●ああ、お面の人が司会している番組。 所長●正確に言うと、ビート・クルセイダーズのヒダカトオルだけどね。それよりも、横にいるナヲちゃん、可愛いなあ。 1号●マキシマム ザ ホルモンでドラムスを叩いている女の子、でしたな。しかも叩き方が激しい。 所長●ハードコア系だから仕方ないね。最近ナヲちゃんに、ちょっぴり、胸キュンなの。 1号●いい歳して何だよ。来年は50歳だろうが。 所長●胸キュンに年齢制限はないじゃない。可愛い子だよなあ。ヘアスタイルは最初のストレートヘアの方がいいと思うけど。 1号●ファンの身勝手。趣味の押し売り。 所長●表面的には粗野な性格に見えるけど、実は繊細だったりするんだよなあ、こういう女の子って。 1号●今日は「ナヲちゃんを語る会」でしたっけ。 所長●違いましたっけ。 1号●アークティック・モンキーズだけどね。 所長●ああ、そうだった。そうそう、アークティック・モンキーズだよ。実は、今年の春頃にはアルバムをチェックしてたんだけど、好きになってきたのは夏を過ぎてから。 1号●季節はめぐる。 所長●某所で借りてMDに録音してたのを、すっかり忘れてた。別のアーティストのMDの最後に録音していたんだけど、たまたま耳にして「おっ、いいじゃないの」と思った次第。 1号●歳を食うと、反応が遅いよね。筋肉痛が2日後に出てきたり。 所長●もっと遡れば、初めて聴いたのは去年の暮れだもんなあ。J-WAVEの「TOKIO
HOT 100」の「MOCHIKOMI RECOMMEN」コーナーで、雑誌「スヌーザー」編集長の唐沢さんが推薦した時が最初。 1号●日本盤のアルバムが発売される1か月半前のオンエアか。 ずいぶん早いな。 所長●そうだねえ。すごく興奮しながら「イチオシ!」って推薦していたのは覚えているけど、何か、せわしないロックだなあ、という印象だけで。 1号●好みではなかったワケね。 所長●今年になって放映され始めたビデオクリップは非常によくできていたし、ライブ映像もテレビで時々オンエアされていたから、実力派のバンドだってことは分かったんだけど。 1号●でも、好みではなかったワケね。 所長●うーん、評判の高さばかりが先にインプットされちゃったから、別に僕が応援しなくてもいいや、みたいな。洋楽を聴き始めた70年代初めに、誰も彼もがレッド・ツェッペリンを高く評価するから、意図的に避けていたのと同じ構図。 1号●そうやって人生を損するわけだな。 所長●遠回りの人生もいいもんだぜ。 1号●何とかの遠吠えに聞こえる。 所長●おかげで、90年代にようやくレッド・ツェッペリンが心底好きになれたから、結果オーライだよ。ちょうど皆が70年代ロックのことを忘れ始めた時期だからね。今はまた逆だけど。 1号●アークティック・モンキーズの場合は? 所長●春先頃には、けっこうCS音楽番組あたりで猛プッシュされていたけど、思ったほどは売れなかったんじゃないの、日本では。 1号●セールスの実態は分からないけど、少なくともFMでのオンエアは意外と盛り上がらなかった。 所長●FM向きのシングルヒットは、大してなかったからね。オンエア回数も少なくなり、彼らの話題も尽きたかな、と思っていた頃に改めて聴いてみたら、「やっぱり、こいつら、すごいわ」と実感。 1号●結果オーライね。 所長●いいものは、いい、みたいな。やっぱり551蓬莱の豚まんは、美味しい、みたいな。 1号●よく分からん。 所長●やっぱり王将の餃子は、美味しい、みたいな。 1号●関西系ばっかりだな。 所長●東京に来て10数年、どこぞのシュウマイ弁当とかで満足している関東人の気が知れない。 1号●好きずきだけどね。 所長●そう言えば、「関西の食い物のどこが美味しいんだ!」と酔った勢いで食ってかかってきた編集者と飲み屋で険悪なムードになったのは10年前か。 1号●今回は「関西グルメを語る会」でしたっけ。 所長●はいはい、アークティック・モンキーズの話題に戻しますよ。 1号●彼らについても語って欲しい。 所長●そうだなあ……キレイにラッピングされた真っ直ぐな野菜じゃなくて、土がついたまんまの曲がったニンジンなんだけど、生で齧ったらすごく美味い、みたいな荒削りな魅力がたまらんですな。適度な“えぐみ”もあって、パンキッシュなニオイもする。基本的にはロックンロール路線だけど、何度聴いても飽きないよね。 1号●絶賛、ですな。 所長●掘り出したばかりの宝石の原石、かもしれん。 1号●大絶賛、ですな。 所長●唐沢さんが最上級の言葉でプッシュしていたのも、うなづける。それに対して、クリス・ペプラーさんは、少し冷ややかだったけど。 1号●オシャレ路線じゃないからね。六本木にあるJ-WAVEというよりも、歌舞伎町の片隅のライブハウスみたいな音だから。 所長●確かに、オシャレ路線ではないよな。ドラムの男性なんか見た目はダサダサの電車男風だし。まあ、リードボーカルのアレックスが美男子だから、若い女性にとっては、それで十分なんだろうけど。 1号●デビュー作が大好評だと、2作目が難しいよねえ。 所長●「ロッキング・オン!」のインタビュー記事によれば、4月頃に2ndアルバムが出るらしい。これが成功したら、もうビッグネーム間違いなしだね。00年代ロックの代表的なバンドになるかもしれん。 -posted by 所長@11:42PM |
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