オンフィールド音楽研究所

2006,07,07

011キーン(KEANE)

所長●キーン君は、着実に成長しておるようだな。

秘書1号(以下、1号)●君、よばわりですか。

所長●そうだ、清々しい若者たちだから、ついつい、「君」と呼びたくなる。

1号●ロックに清々しさが似合わないと言ってたのは、どこの、誰でしたっけね。

所長●彼らはロックじゃなくてポップスだからね。

1号●あ、逃げてやんの。

所長●ジャンルなんか、どうでもいいよ、いい音楽ならば。何か、高校時代か大学時代に、同じクラスにいたような感じのメンバーだよね。

1号●それが、いいことなのか、どうなのか。

所長●リードボーカルのトム君なんて、今でもはにかみ屋で可愛い感じ。

1号●あんた、そういう趣味?

所長●いや、そういう趣味はないけど、こういう男を好きになる女性が好き。

1号●それって、要するに、自分の理想像を重ね合わせているってことでしょうに。

所長●ああ、そうかもしれない。じゃあ、ちょっと、はにかんでみるか。……はにっ。

1号●気持ちわるっ。

所長●余計なことをさせるな。

1号●自分でしてるくせに。

所長●トム君以外の2人も、どこかしら、お坊ちゃんふうだ。

1号●いま、多いよね、スリーピースバンド。

所長●3人組と言ってもらわないと、おじさんには、 ピンと来ない。いや、トリオでもいい。

1号●トリオって。

所長●ぴんからトリオから、ぴんから兄弟になったときに、抜けた人はどこへ行ったのだろう。

1号●知らないね。

所長●あれれ、アマゾンで「ぴんからトリオ」で検索すると、宮史郎1人しか出てこないぞ。兄弟のもう一人はどこへ行ったのだろう。

1号●だから知らないよ。話がまたそれてますよ。

所長●いっそ、ぴんからブラザーズにすればよかったのにね。

1号●演歌には合わないし。

所長●ドゥービー・ブラザーズがドゥービーズだから、ぴんからブラザーズなら、ぴんからーず、か。ははは。

1号●あのねー。

所長●ドゥービー・ブラザーズもステージに立つ「ウドー・ミュージック・フェスティバル」のお供に、「大人のロック!」特別号をお買い求めくださいまし。ワシもドゥービーズについて執筆しておる。

1号●つくづく、趣味と実益を兼ねているよね。

所長●……ええと、何の話だっけ。

1号●キーンでしょ。

所長●そうそう、キーン君だよ。やっぱ、美メロはいいよねえ。美メロ大好き。

1号●彼らは一昨年のデビューだったね。1stアルバム「ホープス・アンド・フィアーズ」でいきなりブレイク。

所長●そんな説明をするよりも。

1号●はいはい、リンクして欲しそうな顔をしているので、あんたのコラムをリンク。これでいいんでしょ。
http://www.onfield.net/otoraku/review/005.html

所長●ふむ。よろしい。ワシの目は節穴ではない。やっぱり彼らはビッグになろうとしている。ワシの注文通り、音楽の幅を広げながら素朴な味わいをキープしておるようだな。

1号●あんたの注文なんて知らないと思うけどね。最近オンエアされているのは、従来のイメージを一新したナンバー。

所長●「イズ・イット・エニー・ワンダー?」という曲だな。キーボードベースでスローテンポのバラードイメージが定着していたが、今回はイントロからギターがうなっていて、スピード感のあるポップスに仕上がっている。進化を感じるぞ。

1号●ビデオクリップも、よくできている。

所長●東京タワー付近に仁王立ちしているゴジラを、首都高バトルのスポーツカーに据え付けた小型CCDカメラで追った感じ、といえば分かっていただけるだろうか。

1号●余計に分かりにくいです。

所長●こないだ、CS系音楽情報番組の「洋楽ワールドライド」という番組で、このビデオクリップのメイキング映像を見たよ。実に面白かった。参考までに番組HPをリンク。
http://www.spaceshowertv.com/worldride/

1号●あんたもこまめにチェックしてるよね。

所長●いや、たまたま見ただけなんやわ。

1号●何で急に大阪弁に。

所長●あのビデオクリップ、かなり手間がかかっているみたいだな、スタジオ内に立体的なレーシングカーコースを設けて、カメラを搭載した特製のミニチュア車も作ったりして。

1号●ふうん。

所長●ロードショー映画の宣伝でメイキング映像を見せられるのは興ざめだけど、ビデオクリップのメイキング映像は楽しい。他の作品も、いろいろ見たいな。

1号●アーティストの素顔も見えてくるしね。

所長●そうそう。リンジー・ローハンのデビューシングルとか、フー・ファイターズの「ベスト・オブ・ユー」のメイキングも、どこかで見たような。

1号●リンジーの素顔は、意外とあどけなかった。

所長●まだ小娘だからね。まあ、それはともかく。キーンのビデオクリップは、これまでも質が高かったよね。以前、放映されてい た1stアルバム収録の「サムウェア・オンリー・ウィー・ノウ」 も良かった。アニメのやつね。

1号●ああ、ちょっとグロテスクな立体アニメ。

所長●世界に目を転じれば、可愛い可愛いタッチのアニメなんて日本だけだよ。

1号●まあね。

所長●心の荒廃した浮浪者が、キーンの音楽を聴いて、涙を流すというストーリー。ストーリー自体は珍しくないが、アニメとしてよく出来てたよなあ。

1号●完成度が高かったのは確か。

所長●それに比べて。

1号●それに比べて?

所長●コールドプレイは何をしているのか。

1号●あー。

所長●同じUK出身、同じ美メロ路線なのに。

1号●まあ、大括りに分ければ、サウンドの路線は近いよね。

所長●キーボード奏者の身体の揺らし方が激しい点でも共通しているのに。

1号●元々は、宙返りしながらピアノを演奏して見せたエルトン・ジョンを輩出した国だし。

所長●コールドプレイのビデオクリップは、クリスのパーソナリティに重きを置きすぎていて、まずいんじゃないの。

1号●クリスはフロントマンであり、楽曲の作り手でもあり、リーダーでもあり。

所長●それにしても、もうちいと、映像ディレクターの選択を考え直した方がいいと思うよ。唯一良かったのは昨年発表の最新アルバムからの先行シングル「スピード・オブ・サウンド」だけ。

1号●そこまで言いますか。

所長●言うよ。

1号●偉そうだね。

所長●偉そうだよ。

1号●コールドプレイは間もなく来日するんだから、クリスに直接言ってみたら。

所長●そ、そんなこと言えるかよ。

1号●じゃあ、あんまり偉くないんだね。

所長●実は偉くないね。全然ね。直接会ったら、サインをもらおうっと。「大ファンですっ」って駆け寄るだろうな。むふふ。

1号●中年の男性ファンが喜ばれるのかどうか、大いに疑問。

所長●「大ファンです」って、英語で何て言えば良いんだろう。

1号●自分で調べなさい。

所長●下手したら、「僕は大きな扇風機」って言ってしまいそう。

1号●それはそれで、クリスの反応が見てみたい。

-posted by 所長@01:30PM


<<-010●くるり

->>012●コリーヌ・ベイリー・レイ


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