【No.120】 2003年1月23日号

2000-01発行分

2002年発行分

オヤジは最近のロックを聴きなさい

 当サイトのなかで、一番の人気コンテンツはリンク集「70年代洋楽アーティスト」です。毎月コンスタントに7000ページビューほどのアクセスがあり、年末から年始にかけては、どこかの人気サイトで紹介されたのか、一日1000ページビューが一週間続きました。

 70年代の洋楽ファンは、情報に対してどん欲です。当時は洋楽情報を伝える雑誌が数誌程度しかなく、数人の音楽評論家が海外から仕入れた情報をラジオや雑誌で口承してくれるのが唯一の情報源。ましてや、アーティストが実際に演奏している動画などはほとんど見られず、わざわざフィルムコンサートに出かけて、ようやく「動いているアーティスト」を目に焼き付けることができたわけです。情報に飢えていた「あの頃」を補いたいという気持ちが、同コンテンツへのアクセスに繋がっているのでしょう。

 それはともかく、ここまでアクセスが多くなってくると、最近のロックは聴いているの?と問いかけたくもなってきます。毎日会社に通うサラリーマンの皆さんなどは、せめて私生活では、耳馴染みのある懐かしいアーティストの情報を楽しみ、昔のCDを聴きたいのでしょうが、たまには冒険してみてはいかが。

 もちろん、最近のアーティストは、名前も系譜もさっぱりわからず、お気に入りのCDを探すのは大変。そこで、僕が最近見つけたCDをお薦めするとしましょう。

●アンドリューW.K. 『アイ・ゲット・ウェット〜パーティー・一直線』

バカバカしい“おまぬけロック”として出色の出来。ヴァン・ヘイレン、KISSあたりのハード&ポップなロックや、アメリカンプロレスが好きな方には、堪らない作品でしょう。たまたま、古いビデオテープを整理していたら、昨年5月頃、NHK-BS2で放映中の「新 真夜中の王国」という音楽番組で、彼のミニ特集をやっていました。ジャケット写真は、自分で自分の鼻を殴って鼻血を出し、足らない分は豚の血を補ったとか。マッチョなブッシュ大統領はともかく、マッチョなロックは笑えるところがいい。ふざけた邦題は魅力ですが、輸入盤で十分。★4つ。 ●公式サイト● ●Ongaku.comでの紹介●

●コールドプレイ 『静寂の世界』

一転、陰気な名作。ブリティッシュ・ロックならではの、じめっとしたところが味わい深い作品です。レディオヘッドの『O・K・コンピューター』などが好きな人は、きっと気に入るでしょうね。2000年のデビュー作『パラシューツ』が大ヒットしたようですが、2002年発表の2作目となる当アルバムの方が、出来はいいと思います。大人のロックをじっくり楽しみたい方、スルメを噛むように、聴けば聴くほどハマってしまうことでしょう。★5つ。 ●公式サイト● ●Ongaku.comでの紹介●

●SUM41 『ダズ・ディス・ルック・インフェクテッド』

ストレートなロックンロールでしょうか。FMでよくかかっているので、店頭で試聴してみたところ、すぐに気に入りました。つい先日、ビデオクリップを見ましたが、シンプルな編成の若いバンドで、スタジオにセッティングした看板をぶっ潰したりして暴れていました。メタルっぽいパンク、といえるのかも。J-POPのロード・オブ・メジャーとかモンゴル800のような、インディーズ系のシンプルでストレートなロックが好きな人は、気に入るのではないかしらん。★4つ。 ●公式サイト● ●Ongaku.comでの紹介●

●アンダーワールド  『ア・ハンドレッド・デイズ・オフ』

こちらは、クラブサウンドっていうんですか? その定義が今イチわかりませんが、昔風に言うならばテクノミュージック。ソニーの「VAIO」のCMにも使われているので、耳馴染みのある人も多いでしょう。YMOとかクラフトワークなどを好んで聴いていた人々にお勧め。★4つ。 ●公式サイト● ●Ongaku.comでの紹介●

●パドル・オブ・マッド 『カム・クリーン』

これがデビュー作とはとても思えない、大人の鑑賞に耐えうる骨太の本格派ロック。アルバムに収められた「ブラーリー」が全米シングルチャート上位に顔を出していましたが、これ以外も「捨て曲ナシ」を感じさせる完成度の高い作品。日本ではそれほど多くの注目を浴びていないのが不思議でたまりません。日本盤は知りませんが、輸入盤はビデオクリップ付き。野太いボーカルと、泣きの入ったメロディ、ずしんと来るサウンドで、文句なしの★5つ。 ●公式サイト● ●Ongaku.comでの紹介●

●ノラ・ジョーンズ 『COME AWAY WITH ME』

JAZZの名門・ブルーノートレーベルから23歳で昨年デビューした彼女の処女作。フィービ・スノウみたいな、ジャズテイストのある「しっとり女性ボーカル」がお好きな方にお薦め。初めてテレビでビデオクリップを見た瞬間に、「これ、いい!」と直感したアーティスト。ここ最近、日本でもジワジワ売れてきていて、間もなく発表されるグラミー賞では新人にして大きな賞を獲るのでは?とささやかれています。★5つ。 ●公式サイト● ●Ongaku.comでの紹介●

 と、当サイトでは珍しくCDのお薦めコラムにしました。世の中では、疲れた心をなごませる「癒し系」が流行していますが、「癒されたいっ子、世にはばかる」ようなご時世にあって、ロックを聴いてスカッとリフレッシュする方がよほど健康的な感じがします。

 地味ながら、批評家精神を持ち続けて発行している雑誌『ミュージック・マガジン』など、その気になって探してみると、良心的な音楽推薦コンテンツはまだまだあります。昔の音楽に浸るのも結構ですが、年齢を経ても、感性はガツガツしたいものですねえ。

【関連する過去のコラム】
宝探しの感受性を奪ったJ-POP界」2002年12月発行

2003年発行分

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