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401(10/09/22)
綿100%の商品開発。

 さて。極私的なことではあるけれど、僕は数年前から、汗に起因する皮膚疾患にかかっている。たまたま通い始めた皮膚科の医者が少々変わり者というか、初めて真っ当に、症状を説明してくれたから判明したわけで、実はずいぶん前からかかっていたのだと思う。

 それ以来、綿100%以外の下着はすべてダメだと分かった。上着でも、肌に直接触れる長袖などは、綿100%以外は着ることができない。冬でもハイネックのセーターは綿のものを選んでいるし、スカーフも綿100%しかつけられないし、帽子も同じ。アクセサリーなどはもってのほかで、腕時計はもちろんダメだし、指輪も、ネックレスも、そして付けたことはないけどイヤリングもダメ。最近になって、ヘッドホンも長い時間つけすぎると耳の穴に炎症が出てくることが分かってきた。

 まあ、そんなことは個人的な皮膚疾患でしかない……のだけれど、どうやら、同類の人が増えてきているらしいのだ。原因はストレス、そして今年の夏のような温度上昇。何の科学的根拠にもならないけれど、現代人ならではの疾患に僕はいち早くかかるようで、一つ事例を挙げれば、花粉症も花粉症という言葉すらなかった30年以上前からのつきあいだ。そんな僕からの次の予告が、汗を起因とする皮膚疾患、というわけで。

 で。そんな症状になって初めて気づくのだが、「綿100%しかダメ」という人にピッタリあった商品というのが、意外と少ない気がする。「夏ならTシャツ着てりゃいいじゃん」と言われそうだけど、Tシャツのなかにも綿100%ではないものが、少なからずある。そして綿100%のTシャツにも落とし穴がある。それは、首に内側についたブランドマークなどのタグだ。これは最近気づいたのだけど、日によって首の後ろ側が痛くなるのはどうしてだろうと思っていて、ある日、ふと気づいた。それ以来、大きなタグはハサミでちょん切った。

 さすがに伸縮性が求められる靴下の綿100%は難しいらしい(あるにはある)ので、素材表示のある靴下のなかで、いちばん綿の割合が高いモノを買っている。靴下の素材を百分率で表示しているブランドというのが実は少なくて、ユニクロと、あとは著名なブランドで一つ、表示しているのを発見したくらい。あとは大半が「綿、アクリル」などと種類を記しているだけだ。

 僕は男だからいいとして、女の子で同様の症状を抱えている人は、辛いだろうと思う。それは、肌にあたる部分が綿100%の生理用品なんて、ないと思うから。

 「汗をすぐ吸ってくれる機能性下着」も最近話題だけど、これも見事にダメだった。たぶん、素材に肌への刺激性があるからだろう。着てから数分で、肌が悲鳴を上げた。クリーニングで糊付けされたワイシャツもダメ。クリーニングに出すときは、「糊付けはしないで」と言わなければならない。

 もしも本当に同様の症状の人が少しずつ増え始めるとしたら、そういう商品開発が付加価値のある商品開発として成り立つだろうと思う。辛いと思う人は本当に辛いからね、値段が2倍でも3倍でも、そっちを買うと思う。

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402(10/09/22)
W-MDの不思議。

 さて。今どき、MDというメディアを頻繁に使っている人がどのくらいいるのか知らないが、少数派であるのは間違いなかろう。少数派ではあるけれど、その少数派は少なからずがヘビーユーザーだと思う。とくに音楽ヘビーユーザーであれば、相当数のMDライブラリーがあるはずで、「じゃあ今日から全部iPodライフに」とは、簡単にいかないから。確か、マーティ・フリードマンさんも、音楽はMDプレイヤーで聴いているとか、どこかで書いていた気がする。

 そんなMDヘビーユーザーが、重宝しているであろうマシンに、W-MDのコンポがある。MDからMDへダビングができる便利な機械だ。これを最後まで生産していたのは日本ビクターで、代表的な機種にUX-W500がある。他には、NS-W9もある。ともに2007年前後に生産が終了したらしく、量販店では数年前から取り扱っていない。MDからMDへダビングするには、これらのコンポを中古品で入手するしか方法はない(たぶん)。

 僕はUX-W500のヘビーユーザーで、日常的に使っているのは2台。そして予備に2台。半分は生産終了後に慌ててオークションで入手したものだ。ラジオ番組のタイマー録音が3つまでセットできるのも嬉しい。MDの宿命というか、CDもそうだけど、使えば使うほど光ピックアップ部(カセットレコーダーのヘッドに相当する部分)が劣化して、おおむね、1〜2年に一回程度のペースで、修理をしてもらうことになる(要するに、光ピックアップ部の交換)。修理はだいたい、いつも1万2500円くらい。修理に出している数週間の間は困るので、予備の機械を備えているわけだ。

 で、最近、いずれのUX-W500をとっかえひっかえしても、録音にエラーが出るようになった。一見、普通に録音(またはダビング)できているように見受けられるのに、最後の最後に書き込み(Writing)する段階で、「Emergency Stop」のサインが出てきて、結局書き込みができない、という症状だ。困った。家の家電製品が一斉に寿命を迎えるというのは時々あることだけど、それにしても4台とも同じ症状とは。ともあれ、まずは2台を修理に出した。

 それから3週間、メーカー側から「指摘されるような症状が出ない」との回答があって、結局、メーカーの担当者から電話があった。詳細なやりとりのなかで判明したのは、僕が好んで買っているMDディスク、ソニー製の「Neige」で、同じような症状の報告が過去にもあり、僕の場合も同じらしい、ということ。メーカー氏の話によれば、ソニー製「Neige」のすべてでこの症状が出るわけではなく、ある生産ロットのソニー製「Neige」で、このような症状が見られるようだ、とのこと。ひょっとしたら、生産ラインを最近、どこかへ移設したのかもしれない。

 この指摘は、まったく、僕の印象と合致している。ある時期から突然、すべてのUX-W500で同じ症状が出始めており、いずれもソニー製「Neige」を使った場合だ。たまに、正常に録音できる場合があるのでヘンだなあと思っていたら、それは、古いソニー製「Neige」の使い回しディスクに録音した場合とか、他のマクセル製のMDとかを使った場合だった。

 MDはもともとソニーが作った規格なのに、おおもとのソニーが一番の廉価品として発売している「Neige」で、このような症状が出る。これは困ったことだ。「Neige」が悪いのか、それともビクター製のコンポが……まあ、好意的に解釈すれば、相性が悪いということなんだろう。MDディスクを置いていない店が増えてきたので、「Neige」は近くのホームセンターで大量まとめ買いしたばかりだった。その数は10枚入りが20数個……。痛い。

 同じような症状に困り果てている人が、全国に10人くらいはいそうなので、とりあえずの報告でした。

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403(10/09/26)
さようなら「立原道造記念館」。

 さて。詩人・立原道造の手書きの詩集や愛用の品々、パステル画などが展示された「立原道造記念館」が、今日限りで閉館した。かねてから閉館の報せが耳に届いていたので久しぶりに観に行ってきた。さすがに閉館日とあって小さな記念館には人がギッシリ。最後は、ささやかなお別れの会があり、僕も冒頭ちょっぴりだけ参加させていただいた。

 立原道造は、現実の生活と夢の狭間を行きつ戻りつしながら、独特のリズム感で構成された14行からなる音楽的な美しさをたたえたソネット詩で自分の世界観を構築、いわば自分探しの彷徨の旅の果てに体調を崩し、母親と愛する女性を思いながら、24歳の若さで急逝した夭折の詩人だ。「詩では食っていけない」という理由で学び始めたといわれる建築の世界では、帝大(東大)在学中に辰野金吾賞を3年連続で受賞、浅間山の麓に芸術家が暮らすコロニーの建設を夢見てもいた。生きていれば、戦後復興の時期に、彼が設計したモダンな様式美の建築物が都内の各所に建てられ、おそらく建築家としても相当な名声を得ただろうと思う。

 僕自身は、彼を題材にした論文で大学を卒業した。今日は、車中で30年ぶりに自分の卒論を読みながら記念館に向かったのだけど、ガラス細工のような脆さをたたえた美しい詩と、脆さを抱えた生き方に心酔した様が見て取れる内容で、当時の自分の心象風景が蘇ってきた。卒論を審査した先生から、「立原の生き方に共感するのもいいが、そんなあなたが、これから社会のなかで逞しく生きていけるのか、心配です」と言われたことを鮮明に覚えている。大丈夫ですよ先生、脆さを抱えつつも、ゴム細工のように生きていますから……。

 立原道造記念館は、入館する人の数が少なかったのだろう、経済的に成り立たせることができずに閉館のやむなきに至ったと想像している。常設館がなくなったのは残念だが、これからは各地で期間限定の展示会などが時折開かれるのだろうと思う。立原道造ファンの皆さんは、ぜひとも、足を運んでくださいね。

 さて。立原道造に影響を受けつつ、中高大学時代には詩作にいそしんだけれど、そのうち、このHPでポエムのコーナーでも開設しようかな。以前から構想していたことではあるが。

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404(10/10/12)
小人(こびと)が表に出る国・出ない国。

 さて。お見せするのは、先日、CDショップで購入したうちの、1枚。前作から好きになったアーティストだけど、ジャケ写に惹かれて購入したくなったアルバムでもある。
ハルシオン・ダイジェスト
▲ディアハンター『ハルシオン・ダイジェスト』

 つい最近、日本でも放映されたMTVの「Video Music Award 2010」では、プレゼンターの一人として、小人(こびと)が登場。
http://www.mtvjapan.com/vma2010/

 洋楽のPVにも、時々出てくる。例えば有名なバンド、フーバスタンクのPVにも登場。
http://www.youtube.com/watch?v=8igfKFZl-3k

 日本では、フィクションの世界なら大々的に表に出てくる。
http://www.karigurashi.jp/index.html

 ちなみに、パソコンのキーボードで「こびと」と打っても、ATOKでは「小人」と変換されない。これが現実。

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405(10/11/29)new!
無印も材質の百分率表示を開始。

 さて。上記の指摘が目にとまったのかどうかは知らないけれど、無印良品が衣料品の材質の百分率表示を最近、始めたようです。

 僕のような症状の人間にとって、5本指に分かれていて、しかも綿が90%近い靴下は非常に良い商品。今日まで10%offだったので、一気に買いだめしてしまいました、とさ。3足1000円よりは高いけど、もう5本指ソックスが手放せない。

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