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016(02/06/21
フリーライターの宿命

 さて。フリーライターの仕事場というものは、おおむね、アパートやマンションの一室だ。たぶん、自宅兼用にしている人が多いと思う。仕事場専用で借りるとしても、いわゆるオフィスのような雑居ビルの一室ではなく、フツーに居宅用として貸している賃貸住宅を仕事場にあてていたりする。僕も、ごくありふれた木造アパートの一室で仕事をしている。

 フリーライターの日常は、仕事にも出かけずにずっと居宅にいるように見えるわけで、周囲から見れば実に不可解だ。今のシーズンなら、Tシャツにイージーパンツといった出で立ちで、平日の昼間からぶらぶら外に出たりする。夜遅くに(騒音を気にしつつ)風呂に入ったりもする。突然ネクタイ姿になったりもする。仕事場にパートナーが訪ねてくる機会は少ないから、いつも一人である。おそらく、「あの人、いったい何者?」だろう。

 同じ賃貸住宅に住む奥様方は、明らかに、避けて通る。最初は自意識過剰かとも思ったが、フリーになってから2軒目の現在地に移っても同じような対応をされるから、これが現実なのだと運命を受け入れるしかない。諦めてはいるけれど、今の仕事場のお隣さんは、態度があからさまだ。何しろ、廊下で僕の姿を見つけるや、あわてて中に入って鍵を「がちゃん」と閉めるのだから、参った参った。無視されるのはわかっていて、毎回「こんにちわ」と声をかけるのだが、一度も返されたことがない。ああ。

 実家が阪神淡路大震災で被害を受けた地域にあるものだから、万一のことも考えると、できればご近所さんどうし、助け合えるような良好な関係を築きたいと思っている。お隣さんご夫婦は、最近お子さんが生まれたようだが、何か困ったことや怖いことがあれば、僕はいつでも助けに行く気持ちがある。だが、都会の集合住宅はこれを許さない。町内会というものを復権させる必要があるのかもしれないなあ、と思いつつ、やっぱり無理だろうな。

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017(02/06/21
フリーライターからのメール。

 さて。同業者からのメールが時々届く。多くは励ましや感想のメールで、オンフィールドコラムの「債権回収トホホの1500日」や「ガマ腫ライターのゲコゲコ日記」などの体験記が役に立った、という嬉しい便りもいただく。とても心強い。

 その一方で、フリーライター一年生や志望者からのメールも少なくない。これが、時々頭の痛くなるような内容だ。例えば、確定申告の方法がわからないといった質問が来たりする。周囲に友人がいないパート主婦からの問い合わせなら許せるとして、取材能力を持っているはずのフリーライターからの質問がこれなのだから、参ってしまう。

 先日は、「あなたのようにコラムを書いてお金を稼ぐにはどうすればいいか」という質問メールが届いた。web上に文字を連ねることで誰が金を払ってくれるのだろう。これらのメールにも、基本的には、ていねいに、わかりやすく、失礼のないように返信を送るようにしているが、「ありがとう」の一言も返ってこない。どこぞのBBSではないが「逝ってよし」である。

 以前、とある会社の広報担当者が呆れたように言っていた話。「ライターさんがチェックしてほしいと送ってきた原稿が間違いだらけだった。書き直すようにお願いしたら、そっちで好きに直してくださいと言われたんですよ」。ちなみに、これは誰もが知っている雑誌の外部ライターである。

 フリーライターはフリーターみたいなものだ、と自嘲気味に笑い話で言うことはあるが、こういう輩については、案外当たっているかもしれない。自ら肝に銘じる意味も含めて「プロであれ」と言いたい。

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018(02/06/21
甲子園球場に行って来た。

 さて。とある雑誌の取材で、甲子園球場の阪神側ベンチを訪れた。甲子園は、僕が生まれ育った兵庫県西宮市にあり、地元の球場だ。あいにく、生まれついての巨人ファンなので、甲子園球場に特別な愛着はない。最後にここで観たプロ野球の試合は、堀内投手最後の先発登板の試合。もう15年ほど前だろうか。

 特別な愛着はないが、青天の球場はやっぱり気持ちいいなあというのが正直な感想だ。見事に整備された黒い土、そして鮮やかな緑の芝生。大リーグの試合がきれいに見えるのは、たぶん、人工芝のドーム球場ではないからだろう。

 甲子園球場には、小学生の時代にグラウンドに入ったことがある。市内の小学校が一堂に会する運動会が年に一度、ここで開かれるのだ。ただ、球場側にしてみれば、グラウンドが荒れる原因にもなっているらしく、「そうだったのか……」と心苦しく思った。

 巨人ファンだが、巨人が優勝できない場合は阪神に優勝してもらいたい。今年は、とくにそう思う。

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019(02/06/27
沖縄旅行前夜に突然、熱が出て。

 さて。ほとんど3年ぶりくらいに、まとまった休みをとって、連れ合いと一緒に沖縄旅行へ出た。まとまった休みといっても、土日を含めて5日間(6/22〜26)の、一足早い夏休みといった感じだ。

 数週間前から、取引先への根回しを始めて、前日までにやるべきことをひとまず終え、ほっと一息。こうして、ようやく実現した沖縄旅行なのだが、旅の準備を始めた前日夕方頃から何だか鼻や喉の奥に、いやーな痛みを感じ始めた。カゼの予兆である。

 押入から旅の道具を出し入れしたために、ホコリを吸って鼻がムズムズしているだけかとも思ったが、旅行に出る当日の朝、明らかにカゼの症状が始まった。寒気がする。鼻がずるずる出る。喉がひりひり痛い。非常事態である。

 せっかく準備万端整えた沖縄旅行、カゼごときで諦めるわけにはいかない。ここで迷わず内科へ駆け込んだ。事情を話してキツめの薬を処方してもらい、おまけに点滴まで打ってもらって、ふらふらしながら機上の人となった。10年ほど前にも、大阪から上京する日の朝、やはり熱を出して点滴を打ち、引越しを乗り切った経験があったのだ。結局、今回の点滴はあまり功を奏することはなかったのだが。

 そういえば、昔、遠足の前日に熱を出す小学生、というのが周りにいた気がする。僕にその経験はなかったが、中学生の頃には、中間テストや期末テストの前日に熱を出していた。一学期に2回、二学期に2回、三学期は中間テストがないから1回、合計で年に5回、判で押したように決まって熱を出すのだ。ということは、今回の旅行はテストのようなものか(苦笑)。

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020(02/06/27
バースデイ割引の威力。

 さて。今回の沖縄旅行には、JASのバースデイ割引を使った。誕生日前後一週間の利用なら、全国どこへでも片道1万円。しかも連れ合い1人まで同じ割引が適用される。席数に限りがあるので、早めの予約が必要なのだが、通常なら羽田から片道3万円以上もする航空券がたった1万円なのだから、大助かりだ。ただし、搭乗前に免許証などの証明書が必要なので、くれぐれもお忘れなく。

 飛行機が飛び立つと、スチュワーデスが僕の元へやってきて、「お誕生日おめでとうございます」と声をかけてくださる。それはそれで嬉しいのだが、お誕生日のプレゼントです、といって手渡したのは、JASの広告絵ハガキ。これには閉口してしまった。

 バースデイ割引の特典を享受しておきながら、苦言を呈するのもナンだが、プレゼントで広告ハガキとは、いかがなものか。お金をかけずに他にできることはあると思うし、安く買えただけでも嬉しいのだから、何もしなくたっていいのに。

 ともあれ、連れ合い共々、沖縄まで往復2万円は嬉しい。いろんな人に「バースデイ割引」を宣伝しているが、意外と皆さんご存じない。遠出の旅行には、ぜひともご活用を。

 当コーナーで、近々、沖縄のレポートをお届けする。これから行く人の参考になればと思う。

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