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●債権回収トホホの1500日●(02) 2001年1月1日号
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未払い金の回収って、どうすりゃいいの? 良くも悪くも、97年は僕にとって、いちばん多忙な年になりました。収入面では、初めて会社員時代の年収を超え、経済的には順風満帆だったと言っていいでしょう。 そんな多忙ななかで、255,000円のギャラと31,318円の実費を一向に払おうとしないA社社長に催促の電話を入れるのは、とても面倒な作業で、気が重いものでした。電話をしてもラチがあかないのは明らかだし、さりとて、アポなし訪問をする時間的余裕もありません。 たぶん、僕の支払催促は、とても生温いものでした。この年、社長に催促をしたのは、せいぜい2回程度だったと思います。別に諦めたわけではないのですが、時間が経つのは早いもので、仕事に追われていると、あっという間に2カ月、3カ月が過ぎていきます。大きな仕事のヤマを超えて、たまに余裕のある時間ができた時に、ふっと思い出す。ああ、催促しなくちゃ。でも、面倒だなあ。また明日にしよう……そんな積み重ねで、97年が終わり、98年に入ってしまいました。 フリーのベテランカメラマンであるU氏に、相談をしたことがあります。 「未払いの請求を放っておくと、時効になっちゃうんじゃなかったかなあ。内容証明書付き郵便とかで請求書を再発行した方がいいんじゃない?」 確かな回収手段は知らないけれど、継続して催促しないと、請求を放棄したとみなされるよ。そんな忠告でした。 「内容証明書付き郵便」というのは、ちょくちょく聞く名前です。確かに送りましたよ、という証明になるものですが、どうやればいいんだろう? 郵便局で訊ねると、文房具屋さんで用紙が売っているから、それに必要事項を書いて手続きしてください、という話でした。さっそく文具屋に行くと、確かにありました。でも、書き方がよくわからない。用紙が高い。それに、これを送ったからどうなるというものでもないように思えて、気力は萎えてしまいました。 未払金を支払わせるためのハウツー本でもあるんじゃないか。そう思って本屋で探したこともあります。どうやら、僕がやりたいことは法律用語的には「債権回収」になるようです。確かにその類の本はありましたが、企業と企業の取引を前提に作られていて、ぱらぱら見ても、フリーランスが活用できそうなノウハウは載っていません。 結局、98年3月26日、僕はA社をアポ無し訪問することにしました。請求書の再発行分を渡すためです。久しぶりに訪問したA社は、雇っている人間もぐっと少なくなり、心なしか殺風景でした。まあ、以前は以前で、若いスタッフが6人か8人くらい、俯き加減にシャカシャカとワープロに向かっていて、それはそれで殺風景だったのですが、今回はがらんとしていました。 「●●社長はいらっしゃいますか」 1人だけ部屋にいた社員は、すんなりと社長に声をかけ、社長が奥の部屋から顔を出しました。一瞬、虚をつかれたような顔をしましたが、すぐに余裕のありそうな顔に戻って会釈し、しばらくして社長室に通してもらいました。僕の用件は、●●社長も承知済みです。 「いやまあ、申し訳ないと思っていますが、経済的にやりくりが大変で……でも仕事も軌道に乗ってきていて、近々大きな仕事も来るので、そろそろお支払いもできるのではないかと……」 以前にも聞いたような釈明でした。僕は先方の言い分に関心はありません。今回は、時効の成立を防ぐために、再発行した請求書を持参し、それを確かに受け取ったという書面を書かせるのが目的です。僕が用意した、「以下の請求書を確かに受け取りました」という文面に目の前でサインをしてもらい、くれぐれもお願いしますと念を押して、長居はせずに帰ったのでした。 これで●●社長も、踏み倒しはできないと思うのではないか。少しは本気で支払おうとするのではないか。そんな淡い期待をもって、A社を後にしたのでした。 |
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