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●TV-CFの舞台裏●(03) 2000年10月1日号
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ラーメン、いっちょう! 僕が勤めていたのは大阪のTV-CF制作プロダクションですから、コマーシャルに出演する有名人といえば、ほとんどが吉本興業の芸人さんでした。まだ全国区で売れる前の明石屋さんまサンのお喋り好きも記憶に鮮明ですが(「ぼんち揚げ」という関西では有名なお菓子のCF撮影の合間、本当にずうっと喋っていました)、何よりも印象強かったのは、やすきよのご両人、すなわち今は亡き横山やすし師匠と、国会議員として活躍している西川きよし師匠のお2人です。 当時は漫才界で不動の地位を築き、日本でいちばん人を笑わせることができる漫才コンビとして、一世を風靡していたお二人。記憶はあやふやですが、確か横山やすし師匠は、何かで問題を起こしてから復帰し、再び人気を回復させた頃だと思います。そのお二人が出演していたのは、四国に本社がある徳島製粉の看板商品「金ちゃんラーメン」のコマーシャルでした。おそらく、近畿・四国・中国地方以外の地域の方々は、聞いたこともないブランドでしょうが、地元ではそれなりに知名度があります。関東におけるペヤングみたいな位置づけでしょうかね。 さてさて、ローカルCMですから、1本にかける製作費はそれほど多くはなく、タレントさんは多忙なお2人だということもあって、1日に3種類を一気に撮ります。その日は確か、スタジオ入りが遅くなるとのことで、先に商品カットなどを撮影し、お2人の登場を待っていました。 間もなく2人が入るというので撮影現場にはそれなりの緊張感が漂うわけですが、そこへまず西川きよし師匠が入ってきました。西川師匠は、本当に礼儀正しい方ですね。あれだけの著名人なのに、スタジオに入るなり、大きな声で「おはようございます!」「よろしくお願いします!」と四方八方にあいさつをし、テレビなどで観たとおりの、とても低姿勢な方です。しばらくすると、少々ごきげんななめの表情で、横山やすし師匠が登場です。やすし師匠は怒らせると怖いという評判が定着していましたから、青二才の僕なんかは、その姿を見てますます緊張しちゃいました。 できれば側にいたくないので、僕は、お2人が手にもつ商品の準備をするふりをして、片隅でガサガサやっていました。するとほどなく、近寄ってくる人の気配が。うわっ、横山やすし師匠が僕の方へやってくるではないですか。なんだろ、なんだろ。するとやすし師匠、僕の顔を見て、一言。 「おう、ラーメン作らんかい!」 横山やすし師匠は、夜食を食べる暇もなく腹を空かせてスタジオ入りしたのでしょう、とりあえず即席ラーメンでも食べてやろうと、僕に注文したのでした。袋入りではなく、カップ麺ですから、お湯を適当に注いで時間がたったころに手渡せばいいだけのことですが、それだけの作業にドキドキしながらやった記憶があります。 しばらくして、用があって撮影所の事務所に行くと、事務所のソファで若い女性が寝ていました。やすし師匠と一緒にスタジオ入りした女性だとのこと。それが奥様だったのかどうか、いやあ、僕にはわかりません。 関連リンク●インスタントラーメン大百科「即席麺家頁」(日本即席食品工業協会の公式サイト) |
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