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●広告ヒ評●(01) 2000年7月1日号
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愛だなんて、ずるいよう 今は放映されていませんが、ついこの間まで、出光石油のガソリンスタンドを舞台にした「IからYOUへ」というテレビコマーシャルが流れていました。消費者金融のアイフルは「恋人のように親身になって……」というお店のカウンターを舞台にしたコマーシャルを今も流しています(6月20日現在)。 さて、ここで使われている言葉は、表にはあまり出てこないけれど「愛」です。2つのコマーシャルとも、I(私)や「アイ」フルから「愛」を連想させていますが、その実態というのは、要するに心地のいいサービスをしますよ、ということですよね。 商品そのもので差別化できないから、接客サービスの良さで差別 化したいというクライアント(広告主)の意図は、まあいいとしましょう。でも「よい接客サービスでおもてなししますよ」というメッセージを消費者に向けて発信するために「愛」という概念を使うのは、とてもズルイやり方に思えるのですね。サービスはあくまでも商品を売り買いするときのサービス。日常を共有しながらはぐくむ愛とは決定的に違う。 それは、「とても」という言葉を「チョー」「めちゃ」「バリ」という言葉に置き換えなければ表現できない安直さにも似ていると思えました。広告におけるフィクション性や比喩的表現は十分に認めますし、僕も活用はしてきましたが、明らかに封印すべき禁止技でしょう。 そういえば、僕がコピーディレクターをしていた10年ほど前、外注したフリーのコピーライターが書いてきた広告文をメッタ斬りにし、全部引き上げて自分で書き直したことがあります。後にも先にも、他人が書いたコピーに徹底的にケチをつけたことは、あれ一度だけでした。何にカチンと来たかと言うと、某産業用照明機器メーカーのカタログのコピー文に、「愛」とか「やさしさ」という言葉を、てんこ盛りに使ってきたからです。少年少女の作文ならともかく、プロのコピーライターがこんな原稿を書いてくるとはどういうことか……とケチをつけたところ、彼は便せん3枚分もの「反省文」を長々とファクスしてきて、僕はコピーライターに向いていないとか何とか書いてきました。あまりにヘナヘナした弱腰の反省文に、再び怒りが吹き出したのですが……。 |
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