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051(02/11/04)
コラムニストの山本夏彦さん、逝去

 さて。やや情報が古くなってしまったが、コラムニストの山本夏彦さんが先月23日、87歳でお亡くなりになった。合掌。

 「オンフィールド・コラム」で以前、笠智衆さんインタビューの時のこぼれ話を書いたが、実は同じ仕事で山本夏彦さんにもお会いしていた。もう20年近く前の話だ。山本さんは、独特の着眼点で世相や大衆文化を斬る名コラムニスト。辛口のテーマを、感情に走ることなく、きちんと論理立てて、しかも共感を誘うように上手に書き上げる「達人」だ。23年間にも及ぶ『週刊新潮』の連載コラムでも知られる。確か当時は、神聖化されすぎた高校野球の話題で盛り上がったような記憶がある。

 日本テレビアナウンサーの井田由美さんが聞き手となったインタビュー、これを対談形式でまとめあげるのが僕の仕事。何とか形にし、クライアントの了承もいただいたうえで本人チェックを依頼したところ、ものの見事に赤字だらけになった校正紙が戻ってきた。後にも先にも、あれだけの真っ赤っかな校正紙を送ってきた方は、他にいない。

 「げげっ」と思いながら赤字を追っていったが、一つ一つが実にまっとうなチェックだった。人間の話し言葉なんてものは実にいいかげんなもの。対談風に繋げていけば、何となくまとまっているように読めてしまうが、よくよく論旨を追っていくと、あちこちで横道にそれたり、言葉足らずだったりする。そんなところまで目配せして、キチンと補うのが書き手の役目なのに、そこをおろそかにしていた。ぐうの音も出ない。

 僕の文章の至らなさを、徹底的に添削指導されているような感じだった。文章に対するプロ意識のようなものがビンビン伝わってきて、それはそれは大きな衝撃を受けた。どうしてあの校正紙を残しておかなかったかと、悔やんでしまう。

 今さらですが、山本夏彦さん、ありがとうございました。本当にお世話になりました。そして、ゆっくりお眠りください。

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052(02/11/04)
まずーい、あと6杯!

 さて。食生活が乱れがちなので、栄養を補給せねばと思い、青汁を買ってきた。7袋入で700円。飲みやすいと噂に聞くファンケルの青汁である。

 冷凍食品として売られているため、ゆっくり常温で溶かし、湯飲みにあけて、おそるおそる飲んでみた。うーん、やっぱりまずいなコレ。ただし、飲んで飲めないことはないというレベルのまずさ。テレビのバラエティ番組で罰ゲームとして飲まされる光景はおなじみで、それなりの覚悟を決めて口にしたが、拷問に使われるほど酷くはない。もちろん、絶対的な評価として、まずいという印象が動かないのも確か。

 ま、身体のことを考えて飲むんだったら、医者から貰ったカゼ薬を飲むのと同じ気分で飲めばいい。個人的な感応評価だが、まずさを相対的評価で比べると……

 医者から貰う粉薬 > 青汁 > 家庭用医薬の液体風邪薬 ………… > マクドのバーガー > モスのバーガー > フレッシュネスのバーガー

 といったところか。何でハンバーガーが出てくるんだ、という気はするが、「まずい」という言葉を使っているうちに65円ハンバーガーを思い出したもので。

 さて。1袋飲んだので、あと6袋ある。心なしか、飲んだ日は体調がよかった気がする。周囲にもおすそわけして、反応をうかがってみよう。ふふ。

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053(02/11/04)
うまーい、もう1杯!

 さて。国内の大手メーカーから、ノンアルコールビールがぞくぞく発売される(サントリーサッポロ)。正確に言うと、0.5%のアルコール分が含まれているから、低アルコールビールと表現した方が適切だ。酒税法の対象とならないため、分類はあくまでも「炭酸飲料」である。

 実は、我が家では一年以上前から輸入物の低アルコールビールを愛飲している。これが、なかなか美味い。昔の「バービカン」の印象が強かったので、まったく期待せずに飲んだが、十分ビールの味が楽しめる。慣れてくれば、ヘンな発泡酒よりもピュアなビールの味がして、美味しいと感じる。

 輸入物の銘柄として、僕が把握しているのは「GERSTEL(ゲステル)」と「CLAUSTHALER(クラウスターラー)」。有名なのは後者だが、オススメは前者だ。こちらは周囲に薦めて、すでに「美味しかった」との評判をとりつけている。お試しあれ。ちょっと驚くかもよ。

 いずれ国内産が出揃ったら、飲み比べてみよう。


ゲステルってこんな感じ
。美味しいよん。

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054(02/11/11)
ううむ、ううむ。

 さて。この歳になっても、ヒットチャートのチェックは疎かにしない。夜中にカウントダウン番組が種々あるが、いくつかの番組は、かなり真剣に見る。今の世相を目に焼き付けておきたいというミーハーな気持ちが、45歳になってもなかなか消えないのだ。楽曲の好き嫌いはともかくとして。

 一緒に観ていた連れ合いが不満そうに言った。「ねえ、モーニング娘。がどうしてこんなに人気なの。私にはさっぱり理解できない」。ううむ、人気の理由か。何だろう、何だろう。つんくのマーケティング戦略というか仕掛けが上手いからだ……とは思うけれど、あまりに教科書的な答え方。

 ううむ、ううむと考えながら、「そうか、学芸会だよな、これ」と思った。学芸会、という言葉は、しばしば蔑むときに用いられる言葉。「あいつの芸は学芸会レベルだよ」などと使う。要するにプロの芸ではないという意味だ。だけど、僕がここでいう「これは学芸会」には蔑みのニュアンスを含めていない。大まじめに、学芸会をコンセプトにしているのだろうという見方だ。学園祭というより、やはり学芸会という気がする。

 そんなことを思っていて、最近類似のニュースがYahoo!に載っていたような気がして、もう一度調べてみた。あった、あった、これ。「授業時間減り、消えゆく学芸会 京都市内の小学校」(11月9日、京都新聞)。学芸会が周囲からなくなって、ブラウン管の向こうに現れているということか。ううむ。ううむ。

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055(02/11/17)
トンネル脱出。

 さて。長い長い、ながーいトンネルをようやく抜け出した。7月はじめから休みなしに働き、最近では「起きたら寝るまで仕事」の日々を送ってきたが、ようやく、家人とともに食事をしたり、語り合ったり、テレビをだらんと見たりできる程度の、「当たり前の」日常になりそうだ。

 もがきながら仕事をしているうちに、季節は巡り、夏が終わって、秋も終わって、「トンネルを抜けると、そこは冬だった」。街ではクリスマスツリーもお目見えしていると聞くが、まだ自分の目では目撃していない。このご時世、仕事があるのは嬉しいが、少々いきすぎた。今度ばかりは、命を刻んで機織りする「鶴」の心境だった。

 取材したり、原稿を書くのが、つくづく好きな性分だと思った。好きでないと、こんなこととてもやってられない。さて、次はあの仕事だ。

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