オンフィールド音楽研究所 |
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2007,06,30 028●ウィズイン・テンプテーション(Within Temptation) 所長●今回は満を持しての登場、ウィズイン・テンプテーションだ。 秘書1号(以下、1号)●ヘビメタ大好きの音楽評論家、伊藤政則さんが大プッシュ。 所長●そうね。伊藤さんがプッシュしているバンドには、まったく好きになれないバンドも数々あるんだけど、美メロなバンドについては、かなり好みが似通っている感じ。 1号●例えば。 所長●まず、好みが全然合わないのはデスメタル系だな。未だに何がいいんだか、さっぱり分からない。あと、ザ・ダークネスやボン・ジョヴィも個人的にはパスしたい。でも、シンフォニックな感じのヘビメタは趣味嗜好が近いように思う。古くはユーライア・ヒープとか。 1号●またヒープの話題かよ。 所長●また、って何だよ。あともう少しで結成40周年だぞ。 1号●長ければいいってもんじゃないけど。 所長●でも長ければいいとも言えるぞ。継続は力なり。どうやら近いうちに新作アルバムが出るらしい。98年の「ソニック・オリガミ」以来だから、ほぼ10年ぶりのスタジオアルバムだ。 1号●すごいブランクだよねえ。 所長●新作発表を期にプロモーション来日をするという噂もある。前回91年の来日で観に行った大阪公演がクアトロだったから、せめて、もう少し大きなハコで観たいなあ。 1号●東京には1000〜2000人クラスのライブハウスがいろいろあるからね。 所長●ちっちゃなライブハウスなんて、ユーライア・ヒープに失礼だろう。せめて渋谷公会堂とか。 1号●現・渋谷C.C.Lemonホールですな。 所長●まったく、恥ずかしい名前にしてくれたもんだ。 1号●渋谷C.C.Lemonホールもキャパは2000人ちょいだけどね。 所長●でもオールスタンディングのライブハウスよりはマシだ。2時間立ちっぱなしは辛いよ、腰が痛くなるし。 1号●おいおい、ロックコンサートに行ける身体をまず作りなさい。 所長●メタボな中年が一杯来るんだから、座席のないライブハウスならゴザくらい敷いて欲しいよね。ついでに、幕の内弁当とか、冷凍ミカンも売ってくれればベスト。 1号●田舎芝居じゃないんだから。 所長●昨年発売された紙ジャケシリーズが完売に近くて、近々、再リリースされるようだ。傍若無人な輩が買い占めて、高値の中古品を売っているのが現状だったから、朗報だね。35年ぶりにヒープのブームが再び起きる前兆ではないか? 1号●来ないね。まったくあり得ない。 所長●妻夫木聡に「僕、ユーライア・ヒープが好きなんです」と言わせるとか。 1号●無理矢理に。 所長●「SMAP×SMAP」とタイアップとか。 1号●どこに接点があるんだか。 所長●やっぱ無理か。伊藤政則さんに頑張ってもらうしかないな。ライナーノーツのほとんどは伊藤さんだったもんな。 1号●そんな伊藤政則さんが近頃プッシュしているというウィズイン・テンプテーションとは。 所長●珍しいことに、オランダ出身のバンドだよね。70年代風に言えば、ダッチサウンドだ。 1号●ショッキング・ブルーじゃあるまいし。 所長●カテゴリーとしては、ゴシック・メタル、シンフォニック・メタルと呼ばれている。まあ、70年代ロックファン向けに分かりやすく言うなら、ムーディ・ブルース的な大仰な様式美に、ユーライア・ヒープ的なハードロックを足した感じ、と言えば良いだろうか。 1号●それって、かえって評価を低めるような言い方だと思うけど。 所長●「ムーディ・ブルース的」を「リック・ウェイクマン的」に変えたらどうかな。 1号●微妙だな。まず「ユーライア・ヒープ的」を外してもらわないと。 所長●ちっ。分かったよ。じゃあ、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」的な大仰な様式美に、レッド・ツェッペリン的なハードロックを足したらどうだ。 1号●必要以上にランクアップしましたな。 所長●さらにそこに、オペラを加える。 1号●なるほど、シンフォニック・メタルだからね。 所長●新作アルバム「ザ・ハート・オブ・エヴリシング」の冒頭を飾る曲のビデオクリップはこんな感じ。うまく埋め込みができるのだろうか。初めての試みなもんでね。 1号●女性ボーカルなんだね。同じゴシックメタルのエヴァネッセンスと似たものどうし、とも言えそうだけど。 所長●確かに似ている部分はあるが、エヴァネッセンスは事実上、ボーカルのエイミーの1人プロジェクトになってしまった。最近、バンドメンバーに対して、一方的な解雇通知をしたそうで。存続が危ぶまれますな。 1号●あらまあ。1枚目と2枚目ではメンバーが替わったのに、さらに解雇とは。 所長●うむ。初めてフジロック向けに来日したとき、エイミーはバンド初期メンバーのベン・ムービーと一緒にFM番組に出演して、アコースティックの生演奏を披露していたんだよね。フジロックの会場で憧れのビョークに出会って、声もかけられなかったと悔しがっていた。 1号●いかにも新人バンド風のウブなエピソードだ。 所長●相棒のベンはその後、躁鬱病にかかったらしく、脱退。ベンをサポートしようとして親密になったのか、セラピストの男性と今年5月に結婚。その前後から、何やら、バンドのコンセプトもメンバーも揺らいできたような感じがする。 1号●昨年発売された2ndアルバムは、一応売れたようだけど。 所長●まあな。でもビデオクリップで登場してきたエイミーは、すっかり豊満になった印象。このままでは、イーグル沢井になるであろうと、警告しておこう。120kgのメガトン級女子プロレスラー。 1号●別にリンクしなくても。 所長●そんなエイミーに比べて、ウィズイン・テンプテーションの女性ボーカル、シャロンはいつ見ても女神のようにお美しい。先日プロモーション来日した際には、バンドメンバーでパートナーでもあるらしい男性、確かスキンヘッドのギタリストだったと思うが2人でにこやかにインタビューに応じていた。バンドとしては、エヴァネッセンスよりもウィズイン・テンプテーションの方が安定している感じがするな。サウンド的にも揺るぎない一貫性があって、前作「サイレント・フォース」から完成度がグッと上がった。 1号●なるほど。 所長●ライブ映像で比べたらすぐ判るけど、歌もウィズイン・テンプテーションのシャロンの方が上手いよね。何でも9オクターブの声域を持つ、天使の歌声と呼ばれているらしい。 1号●9オクターブって凄いね。素人はだいたい3オクターブが限度でしょ。 所長●サバをよんでいるとしても凄いね。9オクターブの声域を出すよりも、9オクターブもの変化がある楽曲を作る方が難しそうだ。譜面から飛び出しちゃうよ。 1号●そもそも人間の耳で聞こえるのかね、9オクターブって。 所長●人間の可聴音域は10オクターブと言われているから許容範囲ぎりぎりかな。CDとかMP3なら記録不可能、かも。 1号●ライブ会場にペットを連れて行ったら、人間には聞こえない周波数帯に反応したりして。 所長●コウモリが会場内で暴れ出すとか。 1号●それはそれで、面白い演出だ。 所長●そう言えば、ウィズイン・テンプテーションは間もなく初めての単独来日公演が行われるんだよなあ。 1号●そのようですな。7月3日に大阪、4日に東京公演だそうで。 所長●ユーライア・ヒープとのジョイントで日本武道館、なんてどうかな。 1号●どうかな、って言われても。 所長●ジョイントだったら、そのくらいのハコでもいけるよね、ね? 1号●当然、前座はユーライア・ヒープなんでしょうな。 所長●ええっ、そんなあ。……でもいいや、2本目になるとそろそろ体力が尽きてくるから、前座の方が中年向きかもね。 1号●日本武道館なら、幕の内弁当売ってるしね。-posted by 所長@16:02PM |
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