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コラム
今回の支援費制度は、2000年度から導入された高齢者対象の公的介護保険制度への合流がささやかれています。そこで、介護保険に詳しい医師・土肥徳秀さんに、介護保険の現実から見えてくる課題について、お聞きしました。
話し手・土肥徳秀さん(医師)
介護保険の現実から危惧すること
最近、私のセンターに来ている高齢者の中に、「自己負担額を月1万円に抑えてほしい」と言われる方がおられます。介護保険開始当初は「月1万5千円に」と言われていたのですが、半年間の保険料の半減措置が終って保険料が徴収されるようになると、自己負担が増えたので、その分、サービス量を減らそうとするわけです。
介護保険になって、サービス自体が消えた例もあります。例えば介護保険実施前に都は、ホームヘルパーの24時間派遣モデル事業を行なっていました。私が所属する民間の高齢者在宅センターではその一部を引き継いだのですが、赤字がどんどん増えてしまい、結局、深夜のヘルパー派遣を一部分、減らさざるを得なくなりました。
「高齢者の自己決定」「サービスの質の向上」といった介護保険のうたい文句は、こうした現実を生んでいます。
実施後2年半余りをへて私が感じるのは、介護保険は介護の問題を社会化した面では功績があるけれど、その問題を解決する仕組みには結局、なっていないなということです。何しろ必要な高齢者介護の32.73%の利用見込みで始動した制度なわけで、結局、国側の最終的目標は「公的負担を減らす」ことなんですね。
障害者福祉への「支援費制度」導入にあたって憂慮するのは、新制度の現実が障害者たちにどれだけ理解されているのかということ。利用者サイドに立った自立生活センターなどの今後の経営基盤も、ちょっと心配ですね。
土肥徳秀(どい・とくひで)さん
プロフィール●医療法人社団福寿会・在宅総合ケアセンター所長。整形外科医。介護保険の要介護認定一次判定ソフトに致命的欠陥があることを、著書『全国一律不公平』(萌文社)で明らかにした。
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