|
●ネット散歩道●(05) 2002年6月1日号
|
|
●
|
あっさり、こってり、召し上がれ
啓蒙かまぼこ新聞 80年代、大阪で過ごしたことがある人々ならご存知でしょうが、昔、大阪のタウン誌に「プレイガイドジャーナル」(略称・ぷがじゃ)がありました。確か当初はA5判の小さいサイズのタウン誌で、後に普通のA4判にリニューアルしましたが、その後関西方面を席巻する『ぴあ関西版』が登場するまで、圧倒的な支持を得ていた雑誌です。 神戸に本拠地をおくタウン誌『Lマガジン』がぷがじゃの牙城に切り込んだこともありましたが、神戸の異人館周辺でnon-noやJJファッションに身を包んでいたオシャレ志向の女子大生はともかく、大阪のキタやミナミ、京都あたりで若者文化を追いかけていた人間は、ぷがじゃを支持していました。東京で言えば「シティロード」のような存在ですが、関西出身の音楽アーティストや漫画家、まだ無名だった関西系小劇場劇団を一押しするなど、関西若者文化をリードしていた点で、単なるタウン誌の枠組みを超えた雑誌であったわけです。 そのぷがじゃに突如として登場したのが、「微笑家族(啓蒙かまぼこ新聞)」という珍妙な全ページ広告です。当時はコピーライター、今では有名作家となった中島らもさんが企画の起案者と思われますが、関西では蒲鉾メーカーとして有名なカネテツデリカフーズのキャラクター「てっちゃん」を主人公に、てっちゃんに無精ひげを生やしてサングラスをかけた「てっちゃんのお父さん」まで登場させ、脱力系の4コマ漫画を広告として掲載し始めました。 この「てっちゃんのお父さん」、実に邪悪な顔をしています。しかも、毎回寒いギャグを連発する。社名変更への地ならしとなった企業イメージ戦略とはいえ、大胆不敵な月刊広告に驚き、「よくもまあ、こんな広告を許すよなあ」と、同社の英断と懐の深さを感じ入りました。そして、いつしか、ぷがじゃを購入していの一番に探すお楽しみ連載ページとなったのです。 このお楽しみ月刊広告が、webサイトになっていました。僕の知識は間違っていて、最初の連載は月刊『宝島』だったようです。「てっちゃんのお父さん」はますますダジャレを連発し、息子とストリートファイト(ゲーム)まで繰り広げています。「てっちゃんのお父さん」はとても強く、僕は5回トライしてすべてブチのめされてしまいました。「てっちゃんのお父さん」が元プロレスラーの前田日明さんに見えてきます。 「てっちゃん」といえば、「チクワとカマボコちょうだいなー」「へーい、へーい、まいどー、ありがっとっさん!」というCMソングを思い出す人も多いはず。同サイトで初めて知りましたが、あの曲、冨田勲さんの作曲だったんですねえ。これは衝撃の事実(笑)かもしれません。 そういえば、同社はかに風味の蒲鉾を早くから世に出していました。この、かに風味かまぼこのテレビCM制作で、僕は新人制作進行(テレビで言えばAD)として参加しています。うろ覚えですが、横歩きのカニ人形を景品にしたキャンペーン広告だったでしょうか。打合せの席で、広告代理店の営業さんが「家では、カニカマボコとキュウリを三杯酢で和えたのが酒の肴なんですワ。これが美味いんですワ〜」とお上手をしていて、社会人一年生の僕は「世渡りとはこういうことなのか」とポカンとしてしまったことも鮮明に覚えています。 ともあれ、関西系企業はweb上でも関西テイストをふりまいていて、実におもしろい。下に、もう一つリンクをしておきますが、この笑いの精神が不況の日本を救ってくれている感じさえする。お笑いの政治家はもうたくさんですが、お笑い精神をもった企業や個人は大歓迎。やっぱ、関西はパワフルですねえ。 関連リンク●金鳥CM劇場 |
●
|
||
| BEFORE← | →NEXT |
| 当ホームページに掲載されている原稿の無許可転載・転用を禁止します。すべての内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。
Copyright 2002-2004 tomoyasu tateno. All rights reserved. Never reproduce or republicate without written permission. |
|