●今月のコラム●(19) 2001年12月1日号

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犬肉追放の「大きなお世話」

 日韓ワールドカップの開催を目の前に控えて、FIFAが韓国に「犬肉を追放してほしい」と要請した、とのニュースが先日報じられていました。韓国では古くから犬の肉がスタミナ料理として珍重されており、これがFIFAから「不愉快な行為」と指摘されたわけです。

 不勉強で知りませんでしたが、ソウル五輪(1988年開催)の前にも海外から同様の指摘を受け、84年、韓国政府は自国の食品衛生法のなかに定められた「嫌悪感を与える食品販売の禁止」を犬肉に当てはめ、飲食店を取り締まったんだとか。ただ、国内には犬肉料理を愛好する人も少なくないわけで、特定地域での販売は黙認されるかっこうとなっていたそうです。つまり、表向きは禁止とし、裏では堂々と食されていたわけですね。まあ、大人の対応とも言えるわけですが。

 世界で最も愛犬家が多いと言われ、FIFAの本部がある英国の人などが犬肉食用を不愉快に思うのは、まあ、わかるとしましょう。国を問わず、ペットとして犬を愛する人々からすれば「とんでもなく野蛮な行為」かもしれません。ただ、それは言ってみれば価値観の違いなわけです。だって、豚肉や牛肉の食用を「とんでもない行為」と見る宗教だってあるわけでしょう。何が善くて何が悪いか、世界共通のルールなんて作れるわけがない。まして、他人から強制される筋合いのものではまったくない。結局は、価値観の違いは違いとして認め合い、上手に折り合いをつけていくしかないわけです。

 折り合いをつける方法として、例えば、食品の成分表示を徹底させることくらいは、やるべきですね。犬肉なんて絶対食べたくないと考える人が、間違って犬肉入り、あるいは犬肉エキス入りの料理を食べてしまわないように、英語で表示するくらいのことはやっていい。今回の一件で韓国に対応すべき点があるとすれば、このくらいでしょう。

 もう一つの不満は、今回の犬肉追放騒ぎについて、共同開催の日本が知らん顔のダンマリを決め込んでいること。どうして韓国に助け船を出してあげないのでしょう。日本にだって、外国人から見れば残酷に映ったり、不愉快に思われる料理がいろいろあるはず。鯨やイルカ、スッポンはもちろんでしょうが、そのほか、卓上サイズの木船の上に刺身と魚の頭を盛りつけた舟盛り料理などは、たぶん嫌われるでしょうね。魚の口からお酒を入れて、パクパクさせて見せたりなんかしたら、血相を変えて席を立つ欧米人もいるはずです。

 いずれにしても、他国の異文化を認めないという了見の狭さは、今日、ますます加速しているように思います。すでに「グローバリゼーション反対」の過激組織が勢力を増していますが、今後、これが地球にとって大きな火種になるのではないかと、強く思います。

関連リンク●韓国情報サイト「コネスト」の犬肉料理「補身湯」に関する記事
     
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