●ウエブマスター事始め<一年始末記>●(05) 2001年11月1日号

2000-01発行分

2002年発行分

ネットで広告収入、の幻想

 半年ほど前だったか、小さなB級ニュースを目にしました。それは、エッチ画像を売り物にしたホームページを運営する男が、ワイセツ図画を公開した罪で逮捕されたというもの。彼には莫大な借金があり、これを返すためにネットで広告収入を得ようと考え、ならばエッチサイトだと思い立って犯行に踏み切ったわけです。テレビのニュースは「そこまでして得た収入はわずか2万円(あるいは3万円だったかも)だった」と伝えていました。

 彼の中には、おそらく月収数十万円以上の期待があったろうと思います。「ネットで広告収入」をもくろみ、危ない橋を渡ってエッチサイトまで立ち上げたのに、収入が数万円だったという事実。このニュースは、「ネットで広告収入」に対する夢と現実のギャップをようく表しているなあと思いました。もっとも、僕から見れば2万円なんてよく頑張ったなと思いますね。「わずか数万円」ではなく、「数万円も」と言いたいところです。

 何を隠そう、この僕も一時は「ネットで副収入」を妄想した人間の一人です。バナー広告の収入はもちろんですが、ネットでオリジナル原稿を直接売ることはできないか、とも考えました。結局、少なくとも前者については思いとどまったわけですが、思慮深く考えて思いとどまったというより、バナー広告について調べるのが面倒だったり、HTMLの知識が追いつかなかったからにすぎません。メルマガでは複雑な作業がいらないので、2001年の一年間、「まぐまぐ」発行分について広告を入れてみました。これは実験的にやってみたかっただけのことで、年末まで続けても、広告収入はせいぜい2000円程度にとどまるでしょう。

 今年の半ばあたりから、ネット業界では広告への疑念が膨らんできたようです。広告収入に依存していたYahoo!は、収益構造をかえようとBB(ブロードバンド)事業に乗り出しましたし、「まぐまぐ」のメルマガ発行者向けの広告出稿はとくに夏以降、明らかに激減しています。一方で、目新しい広告への転換も進みつつあります。メルマガ発行サイトの「めろんぱん」では、従来のできあい5行広告にかわる新種の広告手法として、記事広告の作成を発行者に依頼してきました。webページでは、FlashやJavaを使った動きのある広告へのニーズが高まってきているようですし、BB化が進めば、テレビCFのような広告も普及するのでしょう。

 ちょちょいとバナー広告を貼り付けておけば月々副収入が入るような時代は、早くも終わりを迎えたようです。これからは、広告を入れるためには管理者の労力が増えていきますし、レンタルサーバーの容量も増やさないと対処できなくなる。そんなことも考え合わせれば、もはや個人サイトは潔く広告を捨てた方が身のためでしょう。自分のwebページに広告がどっかり座って「汚れる」のもシャクにさわります。

 何の効果を期待して個人サイトを運営していくのか、その動機が問われてきたんでしょうね。僕の場合は、サイトを開設してから新しい取引先がいくつか生まれましたし、面白い企画もいろいろ浮かんできましたから、予想以上の効果です。勤め人で個人サイトを運営している方なら、仲間づくり、人から評価される喜びなどが、継続の動機付けになるでしょう。「ネットで広告収入」は、もはや幻想になりました。ずいぶん短い命だった気がします。

2003年発行分

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