●今月のコラム●(06) 2000年11月1日号

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過剰な自己防衛

 先日、とあるファミリーレストランで注文した品々が運ばれてきたのを見て、僕はとても驚きました。アツアツの鉄板に乗った餃子と野菜ソテーなのですが、食べ物に驚いたのではありません。鉄板の柄の部分に厚紙が巻かれてあって、そこに「熱くなっております・ご注意ください」という文字が、赤字に白抜き文字で仰々しく書かれている。要するに火傷予防なのでしょうが、余計なお世話もここまで来たのかと唖然としました。

 その2週間後、とある小学校の運動会を見に行ってさらに驚きました。運動会が行われているグラウンドの片隅に、ブランコやジャングルジム、シーソーなどがあるわけですが、その遊具の数々に縦横無尽に紐が巻かれ、紙切れこそ貼っていなかったものの「危ないからここで遊ばないで」と饒舌に語っています。ああ何てことでしょう。

 火傷や怪我を負ってはいけないから、注意を促している……それは、利用者のためを思ってやっている親切な安全対策に、見えなくもない。でも本当にそうなのでしょうか。むしろ、これだけ注意を促しているのだから、万一のことがあっても知りませんよ、クレームは受け付けませんよというアリバイづくり、過剰な自己防衛としか、僕には思えないのです。

 アツアツの鉄板を触ったら火傷するのは当たり前、慣れない遊具で不注意な遊び方をすれば怪我をするのは当たり前。すべて自己責任のはずです。一部のうるさ型の保護者が危ないじゃないかと騒いでいるのでしょうか。それとも、利用者はそんな危険察知能力すら持っていないと、バカにしているのでしょうか。

 PL法が施行されてから、電気製品の説明書にずらずらと禁止事項が並んでいるのを見て、苦々しく思った人も多いはず。僕は、クレームを出させない姿勢よりも、クレームに上手に対応してくれる姿勢の方が、ずっと利用者の立場に立っていると思います。くれぐれも、ツマヨウジの一本一本に「これで目を突かないでください」という文字を自動的に印字する機械が売れてしまうような国にはなってほしくない。つくづく、そう思います。

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