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●こんな仕事してきた●(02) 2000年7月1日号
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障害者の旅・二態 障害者が旅行をするということ。今でも一般化はしていませんが、ここ数年で情勢は変わってきたなあと、つくづく思います。何しろ、大手旅行ガイド出版社が「バリアフリーの旅」の本を、試験的にしろ出す時代になったんですからねえ。 僕が障害者関連の書き物をするきっかけを与えてくれた、「WE'LL」という雑誌があります。96年に自分から売り込みに行って取材・執筆の機会をいただいたわけですが、この雑誌では当時から、車いすでも楽しめるホテルとか観光地の情報をよく載せていました。 僕が巻頭の特集を担当することになったのは、一年ほどたってからでした。障害者の北海道旅行をレポートするもので、行程をどうするか、取材に協力してくれる障害者をどう人選するか、企画を練り始めました。まずは情報収集です。さまざまな手段で障害者が利用しやすいバリアフリーな観光地や宿泊先がどこにあるのか調べました。編集部に蓄積された情報に目を通 し、読者から生の情報を求め、ニフティの障害者フォーラムを参考にし、僕の周囲の人にも聞きました。 どうやら、多くの人が推薦する宿が一軒あることがわかりました。富良野にほど近い美馬牛(びばうし)という町にある「民宿とぅもろう」です。実際に泊まったことがある複数の人から評判を聞くにつけ、これは是非とも行かねばと思いました。あと2軒、札幌市内と屈斜路湖のあたりにも、バリアフリーな宿泊施設がありました。これで3泊は決まりです。 人選も決まり、行程も決まってきましたが、何かモノ足らない気がする。しばし考えて、ハタと気づきました。これじゃあ旅行じゃなくて、「バリアフリー施設めぐり」じゃあないか、と。旅行は行きたいところへ行くものなのに、最初から行けるところを選んでる。 結果的には、管理人もいない岩石ゴロゴロの露天風呂とか、車いす利用者が来たのは初めてかもしれない階段だらけのビジネスホテルも利用しつつ、立ち寄ったドライブインに洋式トイレがなくてご近所の家の洋式トイレを借りたりとか、それなりの珍道中があって、不便はありつつも面白い旅行になり、その雰囲気がそのまま面白い誌面になったのではないかなあ、と思うのです。 この北海道特集の他に、いわゆる障害者の旅をレポートする機会は数回ありましたが、単なるバリアフリー施設めぐりであったり、気味が悪いほどに愛と優しさに満ち満ちたボランティアが同行する旅であったり……まあ、「障害者(や高齢者)の旅」はようやく一般化してきたところですから、まだ緒についたばかりとも言えるのでしょうね。普段着感覚の旅がフツーにできる、そんな時代がやってくるのはしかし、案外近いのかもしれません。
写真/南 信司 |
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