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【アーカイブス】
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書庫1●ぞっこん名盤セレクション
〜70年代ロックのきら星たち〜
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●ここで取り上げたアルバム
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●「毎日中学生新聞」(毎日新聞社)96年12月17日号 掲載 (15)チェイス キミは、自分の好きなアーティストが若くして突然この世を去る、ということを想像できるかい? とてもそんなこと想像できないだろうね。感受性の豊かな女の子なら、「そんなこと言わないで!」と悲鳴を上げそうだな。 だけど20年以上もロックやポップスを聴いていると、何度かそういうやりきれない出来事に遭遇するんだ。 以前取り上げたTレックスのマーク・ボランは交通事故で突然他界した。それから、これはフォークの分野になるけど、ジム・クロウチというミュージシャンは、初めて全米1位のヒットを記録した数週間後に、事故で他界した。死語発表されたシングルが「タイム・イン・ア・ボトル」という曲でね、「もしも時間をボトルに詰めておけたら……」なんて曲だったもんだから、泣けてくるよ。 日本では尾崎豊の死がやはりショックだったよな。当時は僕が上京して間もないころで、葬儀が行われていた護国寺の近くに住んでいたんだ。ファンが雨の中で泣きじゃくっていてね、その後彼のアルバムを聴いて、僕もファンになったよ。 今回紹介するチェイスは、キミたちの親の世代ならきっと聴いたことがある、ブラスロックのバンドだ。ブラスロックというのは、それまでロック音楽にはほとんど使われていなかったトランペットなどの管楽器を融合させたロックの一つのジャンル。ブラッド・スエット&ティアーズやシカゴが先駆けだけど、チェイスも少し遅れてデビューした。 デビューシングル「黒い炎」はロック史に残る大ヒットだったよ。来日が決まり、中学生の僕は親の目を盗んで一人でコンサートを観に行った。初めて観るロックコンサートさ。「ロックを生で聴くのって、こんなに楽しいんだ!」。端っこの席だったけど、僕はひとしきり感激したよ。 でも、これが最初で最後のチェイスのコンサートだった。この後間もなく、チャーターした飛行機が墜落し、メンバーは死んでしまった。そう、全員がね。たった2枚のアルバムを残して……。 若くして死んでしまうことを「夭折」と表現する。若々しい魂がポキッと音を立てて折れたって意味だ。みんな悔しかったことだろうね。もっと音楽をやりたかっただろうね。もっとたくさんの拍手を浴びたかっただろうね。 これからキミたちも、好きなアーティストの死に何度か遭遇することになるだろう。想像したくもないだろうけどさ。そんな時は、僕たちに残してくれた音楽を一生懸命聴いてやってくれ。僕も「黒い炎」が収録されたアルバム「追跡」を、何度もしっかり聴いた。BGMではなく、耳をそば立てて魂の叫びを聴き取るようにね。 |
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