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書庫1ぞっこん名盤セレクション 〜70年代ロックのきら星たち〜

●ここで取り上げたアルバム


「ロータスの伝説」

●「毎日中学生新聞」(毎日新聞社)96年11月19日号 掲載

(14)サンタナ

 人間だれしも、神秘的なものに憧れる時期っていうものがあるもんだ。僕に言わせりゃ、一種の通過儀礼みたいなものかな。何となく不思議っぽくて、哲学的で、宇宙的で、永遠の真理が隠されていそうなもの……。

 どうやら好奇心が強くて、しかも何でもマジメに追求しないと気がすまないタイプの人間ほど、神秘的なものに強く憧れるみたいだな。

 僕もそうだったよ。死とは何か、人間とは何か、宇宙の向こうには何があるのか、どうして人は生きているのか。今から振り返ってみりゃ、答えの見つからない禅問答みたいなことを始終夢想していたんだな。

 オウムの話はもう話題にも上らなくなったけど、あと10年遅く生まれていたら、僕だってオウムに入っていたかもしれない。可愛い女の子に誘われたりしたら、僕はたぶんイチコロだったよ。だから上九一色村から退去したオウム信者たちがこれからどうやって生きていくのか、僕には他人事だとは思えないんだ。

 さて、今回はそんな僕の憧れだったミュージシャンを紹介するよ。バンド名はサンタナ。リーダーでギタリストとしても名高いカルロス・サンタナの事実上のソロバンドで、彼以外のメンバーは数え切れないほど交代している。70年代を代表するトップミュージシャンで、何度も来日していた。今テレビで缶入りブラックコーヒーのコマーシャルに使われている「ブラック・マジック・ウーマン」は、初期の代表曲の一つだ。

 サンタナは、デビュー当時は典型的なラテン系音楽で突っ走るイキのいいバンドだった。血湧き肉躍る情熱のリズムで、思わず身体がクネクネ動き出しそうなサウンドだったよ。

 突然豹変したのは、4枚目のアルバム「キャラバンサライ」をリリースしたころかな。エネルギーがどんどん前面に出てくるような音楽から、深い瞑想に入るような荘厳な雰囲気の音楽になっていった。ビートルズのジョージ・ハリスンもそうだったけど、カルロスも東洋的な神秘に傾倒していったんだよね。

 後に発表した「魂の兄弟たち」というアルバムでは、同志でギタリストのジョン・マクラフリンと、ヒンズー教の導師であるスリ・チンモイの3人で合掌した写真が使われていたっけ。「ありゃあ、カルロス・サンタナはどうしちゃったんだろう」と思いつつ、その不思議な世界に魅せられずにはいられなかったな。

 僕個人のお薦めは、ラテン系と宗教系(?)というサンタナの二面性が両方出ている日本での3枚組(CDでは2枚組)ライブ盤「ロータスの伝説」。かの有名な横尾忠則がデザインしたジャケットも圧巻だぞ。

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