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【アーカイブス】
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書庫1●ぞっこん名盤セレクション
〜70年代ロックのきら星たち〜
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●ここで取り上げたアルバム
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●「毎日中学生新聞」(毎日新聞社)96年11月5日号 掲載 (13)アル・スチュワート 人間はイヌ好き派とネコ好き派の二つに分かれるんだそうだ。キミはどっちが好きだい? 僕は何と言ってもネコ好き派だな。ネコは飼い主が飼い慣らそうと思っても、なかなか言うことを聞かないもんだ。我関せずで、日向ぼっこなんかしていやがる。そこがまた、可愛いんだよねえ。 今年の夏、僕はモンゴルへ行ったけど、モンゴルの人はほとんどがイヌ好き派だそうだ。なぜかって? 草原で遊牧生活をしている人にとって、イヌはオオカミなど敵の侵入を知らせてくれるし、飼い主の異常を察知して他の人に知らせてくれたりする。生死にかかわる重要な役割なんだよね。でも、ネコは好きなものを食べたら、寝っ転がっているだけ。何の役にも立たない動物ってことさ。 でもね、今の日本には少しくらい役立たずのものがあった方が、ちょうどいいんだよ。動物までが生産的でなくてもいいんだ。そう思わないかい? おっと話がそれてしまったな。ネコの話をしたのはね、今回紹介するアル・スチュワートの代表作が「イヤー・オブ・ザ・キャット」というアルバムだからさ。 「イヤー」はearではなくyear、つまり「ネコの耳」じゃなくて「ネコの年」ってことだ。何でも、彼のガールフレンドが持っていた日本の占星術の本で、「ネコの年」を見つけてそのままタイトルにしたんだとか。でもこれって、十二支の寅年のトラの絵がネコに見えただけじゃないのかなあ。ま、いいか。 アル・スチュワートは、残念ながら日本ではあまり知られていない男性ボーカリストなんだけど、アメリカやイギリス、ヨーロッパあたりじゃ、ちょっとした顔だよ。なにせ「イヤー・オブ・ザ・キャット」というアルバム、全米ではプラチナディスクを獲得するほどの大ヒットだったんだ。 驚異的なヒットを記録したカーペンターズの「ナウ&ゼン」が全米アルバムチャートの1位にどっかり居座っていたころだから、1位の座は射止められなかったけど、このアルバムも長い間上位にランクされていたっけ。 ポップで、メロウで、ちょっぴりスパニッシュの香りもする独特の歌声は、一度聴いたら忘れられない。何とも心安らかな、すてきなメロディの数々だよ。 この連載でいろんなアルバムやアーティストを紹介しているけれど、一番長い間聴き続けているのは、きっとこのアルバムじゃないかな。それほど、いつまでも飽きのこない、僕にとっては永遠の歌声なんだ。 アルバムジャケットのデザインも、ネコ好き派の僕にとってはたまらないな。向こうで爪をとがらせている女性が描かれているのは、ちょっぴり怖いけどね。 |
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