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書庫1ぞっこん名盤セレクション 〜70年代ロックのきら星たち〜

●ここで取り上げたアルバム


「リマスターズ」

●「毎日中学生新聞」(毎日新聞社)96年10月22日号 掲載

(12)レッド・ツェッペリン

 キミたちに好き嫌いはあるか。ピーマンは食うか。ニンジンは食うか。魚はちゃんと自分で骨をとって食ってるか。スナック菓子ばかり食ってないか。炭酸飲料ばかり飲んでいないか。

 オレはあえて言う。キミたちはまだ、好き嫌いを言ってはならん! と。いきなり挑戦的なことを書いてしまったが、今回取り上げるレッド・ツェッペリンを聴いていたら、オレもロックしなきゃいかんと思えてきたんだ……。

 僕はね、本当はレッド・ツェッペリンって、とても苦手だったんだ。ロックを聴き始めたころは、もうすでに大物バンドでね。ほら、誰もが「凄いバンドだ」と評価していると、僕も認めなくちゃいけないような気持ちになってくるじゃない。僕が応援しなくたって皆が応援するんだろ、みたいな捨て鉢な気分になっていたんだ。結局、食わず嫌いだったんだよね……。

 だからオレはな、食わず嫌いはやめろって言ってるんだ! 中学生までは何でも食え。何でも聴け。小室ファミリーのつまらん曲ばかり聴いていないで、ウルフルズも聴け。矢沢永吉も聴け。イエロー・モンキーズもいいよな。でも、バッハもラフマニノフも聴け。そして、レッド・ツェッペリンも……。

 僕はね、恥ずかしながら39歳で初めて、レッド・ツェッペリンが好きになったよ。「リマスターズ」という事実上のベストアルバムなんだけど、どうして25年間も無視し続けてきたんだ、僕ってバカ! バカ! って、頭を殴りたくなったよ。ジミー・ペイジ、ロバート・プラント、キミたちは最高だ……。

 オレが言いたいのはな、中学生のころって感性がビンビンに鋭いんだ。予言しておくよ、今培われた感性を、キミは一生引きずることになるって。だから、あえて今は雑食動物のように何でもバクバク食えと言っているんだ……。

 学校で、「こんな勉強をして何になるんだ」と疑問に思うことがあるかもしれない。だが、何のためになるかは後で考えればいい。いろいろバクバク食ってたら、それだけ生き方の選択肢が増えるんだ。一つの挫折を経験しても、別の自分が見つかるんだよ。

 もしこれから自分たちでロックを演りたいと思っているなら、レッド・ツェッペリンは一度は聴いておくべきだ。ただし、譜面を手に入れて同じように演奏しようと思っても、難しいだろうな。ロバート・プラントのボーカルも、ジミー・ペイジのギターも、他人が簡単にマスターできる代物じゃない。

 まあ超えられないものほど、いい教師になるみたいだから、鍛えられるのは間違いないけどね。

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