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書庫1ぞっこん名盤セレクション 〜70年代ロックのきら星たち〜

●ここで取り上げたアルバム


「アンソロジー・オブ・ブレッド」

●「毎日中学生新聞」(毎日新聞社)96年6月25日号 掲載

(6)ブレッド

 ブレッドというバンドは、今ならロックというよりポップスに分類されるんだろうな。でも当時は「ソフトロック」とかいう変なジャンル名で呼ばれたこともあってね。カーペンターズほどではないけれど、耳ざわりのいいロックとして、その分野では彼らに次ぐほどの人気があったんだよ。

 このバンド、元々はスタジオミュージシャンの集まりで。コンサート活動はほとんどやってなかったんだ。東京・池袋に、ロックのビデオばかりを売る小さなショップがあるんだけど、3年ほど前にブラッと入ってブレッドのライブビデオを発見したときは、さすがに驚いたよ。もっとも、テレビ用に収録したスタジオライブみたいだけどね。

 ブレッドのヒット曲のほとんどは、リードボーカルのデビッド・ゲイツの作品だ。「イフ」をはじめ、全米1位になった「二人の架け橋」「愛の別れ道」「ギターマン」「ダイヤリー」「愛のかけら」など、ブレッドが残したヒット曲は彼なくしては生まれなかった。

 もう1人、ブレッドの曲の半分弱を書いているメンバーに、ジェームス・グリフィンがいるんだけど、彼の曲はたいていシングルの裏面=カップリング扱いで、ビートのきいたロックが多かった。

 オリジナルアルバムを聴くと、たいてい2人の作曲・ボーカルの曲が交互に入っていて、何だか「今度は僕で、次はキミの番だよ」と仲良く半分分けした感じで、聴いていて微笑ましい感じがしたな。ちなみにカーペンターズが歌ってヒットした「ふたりの誓い」という曲は、ブレッドのメンバーが書いた曲なんだよ。

 デビッド・ゲイツは77年のブレッド活動停止後、ソロシンガーとしても作品を残している。78年に封切られた名画「グッバイ・ガール」の主題歌も彼の代表曲だ。ちなみに彼は、今では広大な土地を持つ牧場主で、自宅に設けたスタジオで録音したニューアルバム「アイ・アム・セブンティーン」を昨年発表している。力まず、淡々と歌い上げるボーカルは、ブレッド時代と変わらないよ。

 ブレッドは愛をテーマにした曲が多く、今聴いてみても、胸がキュンキュンしてくるから不思議だ。彼らのアルバムを聴きながら、異性との恋愛に胸をときめかせていた少年少女は、きっと多いはず。

 ヒット曲がたっぷり収録された「アンソロジー・オブ・ブレッド」でも聴きながら、当時の少年少女だったパパやママの“ときめき物語”を披露してもらうのも楽しいかもね。

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